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『週刊 新宿新聞 8月25日 2016年(木曜日)(第1991号)』新宿区新聞社

 トップ記事は「新たに10棟のホテル建設」。訪日外国人の増加を受けて、新宿では今後新たに10棟のホテルが建設されるとのこと。
 民泊よりもホテルの方が設備やノウハウが充実しているから、民泊が増えるよりホテルが増える方がいいか。

週刊 新宿新聞 8月25日 2016年(木曜日)(第1991号)

田島慎一『世界中のお菓子あります ソニープラザと輸入菓子の40年』新潮社

 何年か前にソニービルへ行った時、地下に何やら店舗があったように記憶しております。本書はその店で販売してきた輸入菓子の数々を紹介しているもので、あそこでそんなものを売っていたのかと改めて知りました。
 バタークッキー、ブレークチョコ、マカデミアナッツチョコレート、米国製コーラ、ジェリーベリーなどなど。色々あります。
 本書を読んでいると輸入菓子を食べたくなったけどわざわざソニープラザ(現プラザスタイル)まで足を運べない、という人がいるかもしれません。でもご安心あれ、今ではスーパー、量販店、百貨店などでも大量販売してますから。
 本書ではプラザ合意(1985年)後にこのような状況になったと述べています。

 あらゆる輸入菓子が高級品として扱われた時代の終わりでした。量販店が輸入品を大量に仕入れては二束三文で売り飛ばし始め、値崩れが止まらなくなりました。(略)
 大手スーパーだけではありません。百貨店も量販店も、こぞって輸入菓子を大量購入・廉価販売し、海外ブランドの価値はみるみる下がっていったのです。“輸入品信仰”の終焉でした。
(P126-127)

 プラザ合意には輸入品信仰を終わらせる効果もあったのか。

【参考文献】
田島慎一『世界中のお菓子あります ソニープラザと輸入菓子の40年』新潮社

松本利秋『戦争民営化――10兆円ビジネスの全貌』祥伝社

 ここで挙げられている10兆円の根拠は以下の通り。

 ニューヨーク・タイムズなどの取材によれば、軍事請負会社の市場規模は全世界でおよそ1000億ドル(約10兆円・二〇〇四年換算、以下同)にのぼるという。(P208-209)

 そして最後に、本書はこうしめくくっています。

 このように日本企業も含めて、巨額でかつ長期にわたるであろうイラク復興事業を、世界の企業が不況脱出のためのビジネスチャンスと見なし、事業に参加しようとしてしのぎを削る状況が、今後も続くことは間違いないだろう。(P251)

 あの頃(本書は2005年8月10日初版発行)はイラクが安定するものと思われていたんでしたっけ(※1)。ところがどっこい、今はダーイシュ(ISIS)がいて復興どころじゃない。しかもダーイシュの勢力はシリアなどイラク国外にも広がっており、フセイン政権よりも厄介です。
 そうですねえ、今の状況から考えると、上記の引用文のパロディとしてこんなことを書いておきましょうかね。

 このようにブラック・ウォーターも含めて、巨額でかつ長期にわたるであろうダーイシュとの戦争を、世界のPMC(※2)がビジネスチャンスと見なし、戦争事業に参加しようとしてしのぎを削る状況が、今後も続くことは間違いないだろう。

 問題は、誰がその巨額かつ長期にわたる費用を負担するのかということですが、原因を作ったアメリカは無論のこと、中東諸国にも「応分の負担」をしてもらいましょうか。何しろ、ダーイシュの「革命」が自分たちのところへ波及したら、自分の身が危うくなりますからね(シリアのアサド政権を見よ!)。

※1.悲観的な見方も多かったが、少なくともアメリカ政府のプロパガンダは楽観的だったと記憶している。
※2.軍事請負会社あるいは民間軍事会社とも訳される。ブラック・ウォーターは有名なPMC。

【参考文献】
松本利秋『戦争民営化――10兆円ビジネスの全貌』祥伝社

ジョゼフ・E・スティグリッツ、リンダ・ビルムズ『世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃』徳間書店

 イラク戦争のコストを計算してみたら3兆ドルになったとのこと。しかもこれは「控えめ」な数値であり、計量化できないコストなどは含まれていません。又、3兆ドルのコストはアメリカに限ったものであり、イラクやイギリス、日本などが払ったコストは別にあります。
 尚、巻末の「訳者あとがき」(楡井浩一)によると、本書は論文を加筆修正したものであるとのこと。そのため、一般的には少々とっつきにくいところがなきにしもあらず、というのが私の感触です。論文を読みこなす力が必要かもしれません。

 ところで、この3兆ドルのコストの中には財政的コスト、社会的コスト、経済的コストというのがあって、コストを支払うのは政府だけでなく、兵士たちとその家族、一般市民、企業にも負担が及んでいることが本書の中でも述べられています。
 負担の詳細は本書に譲りますが、これほどまでの「惨状」ではブッシュ大統領(当時)が無能呼ばわりされたのもうなずけるし、オバマ政権がイラクへの地上軍の投入をためらうのも理解できます。

 それから、経済の悪影響についても少々触れておきます。本書のタイトルに「経済」の語が入っていますからね。

 今日では、不真面目な例外を除くと、“戦争は経済を上向かせる”などと信じるエコノミストはひとりもいない。(中略)軍備に金を費やすことは、どぶを金に捨てることと同じ。兵器ではなく投資――工場投資、設備投資、インフラ投資、研究投資、健康投資、教育投資――に金を回しておけば、将来的に経済の生産性が向上し、より大きな成果を獲得できるかもしれないのだ。(P148-149)

 つまり、「戦争したら景気がよくなる」なんて言ってる人がいたとしたらそいつは「不真面目な例外」ってことですか。あるいは、その人は経済がわかっていないだけなのかもしれません。
 ちなみに日本は朝鮮戦争による特需(朝鮮特需)があったじゃないかと言われるかもしれませんが、あれは例外中の例外。だってそもそも、日本は朝鮮戦争に参戦していないんですからね(せいぜい機雷の掃海をこっそりやったくらい)。それに、当時の日本は敗戦でボロボロであり、今みたいにPKO部隊や莫大な復興資金を出すことなんか不可能でしたぜ。

【参考文献】
ジョゼフ・E・スティグリッツ、リンダ・ビルムズ『世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃』徳間書店

【イラク戦争の映画】
イラク 狼の谷
ハート・ロッカー

原田曜平+余蓮『中国新人類・八〇后が日本経済の救世主になる!』洋泉社

 八〇后(バーリンホゥ)とは八〇年代生まれの中国人の若者のことで、彼らは「優良な消費者」だから、日本の企業は彼らを狙って商売したら大儲けできるんじゃないか、というのが本書の主旨。
 又、本書では八〇后を4種(四族)に分類していますが(月光族、洗練族、透明族、飯族)、これは八〇后を消費者として見た場合の分類であって、生産者として見た場合や、政治的・社会的スタンスで見た場合は全く異なる分類ができてしまうことでしょう。
 そう考えると、本書は八〇后を消費者として見ることに注力しすぎている、と感じざるをえない。まあ、本書の主旨が主旨ですから、八〇后の他の側面を知りたいのなら、他の資料文献を漁れってことですな。

【参考文献】
原田曜平+余蓮『中国新人類・八〇后が日本経済の救世主になる!』洋泉社

谷村ひとし『パチンコホールは本当に儲かって仕方がないのか?』ワニブックス

 タイトルの設問に対して著者は「ノー」と答え、序章から第二章までを使ってその理由を述べています。ただし、同時にこうも言っています。

 そうです、「1ぱち」に関しては「ホールは儲かっている」んです!(P97)

 尚、「1ぱち」とは「1円パチンコ」のことです。そもそも本書は、パチンコをある程度以上打つ人向けに書かれたものなので、パチンコ用語(例:遊ぱち、チューリップ等)がごく自然に出てきます。ご注意を。
 さて、1ぱちに話を戻します。本書を読むと、4ぱち(4円パチンコ)で使われたパチンコ台を1円パチンコで再利用する(P96)などといったことが書かれており、だとすれば「4ぱちあっての1ぱち」といった側面もあるようです。「4ぱちをやめて全部1ぱちにすればいい」なんていう単純な話じゃない。

【参考文献】
谷村ひとし『パチンコホールは本当に儲かって仕方がないのか?』ワニブックス

船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店(7)

 本書を読み終えた後、
「今はどうなんだろう?」
 と考えました。
 TPP(環太平洋パートナーシップ)交渉など、日米間に経済摩擦がないわけではないが、その重要性は当時と較べて低下しているように感じます。
 何しろ、現在では中国が台頭していますからね。本書ではNICs(新興工業国)の台頭とその影響に言及した箇所がありましたが、現在の中国は経済規模からしてその比ではないし、又、中国の覇権主義も見逃してはなりません。
 アメリカにしてみれば、今は日米よりも米中のほうが厄介ですぜ。

【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店

【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)

船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店(6)中学生に…

 ここで下ネタを一つ。第3部では自動車、コメ、通貨の問題を扱っているのですが、その中にこんな一文が。

 大蔵省の通貨マフィアの間では、「政治家に通貨をいじらせるのは、中学生にオナニーを教えるようなもの」といった声も聞かれるが、通貨がステートクラフトとして重要な位置を占め続けることは間違いない。(P224-225)

 さすがは通貨マフィア。下品な喩えがうまい。

【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店

【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)

船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店(5)議会

 第2部の後半(2 何が議会に起こったか ――「対日報復」のダイナミックス――)ではアメリカの議会での動きを綴っています。
 この部分を読んでふと気付いたことがあります。なるほど、アメリカ議会の動きはわかった、それじゃあ日本の議会(国会)は何をしてたんだ?
 第1部ではプレイヤーとして国会議員の名が多数登場していましたが、少なくとも本書において彼らは国会での活動よりも自民党内での活動ばかりが描写されます。
 当時の国会の重要性って、その程度にしか見られていなかったんですかねえ。

【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店

【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)

船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店(4)アメリカ政府

 第2部の前半(1 友好と摩擦のあいだ ――日米首脳会談「成功」のシナリオ――)ではアメリカ政府内部でいかにして対日経済政策が決められて行ったのかが述べられています。

 大まかに言うと、対日経済政策をめぐる米政府内の「登場人物関係」(actor relationship)は、(1)財務省対USTR、(2)商務省対USTR、(3)商務省対国務省(※)、(4)商務省・USTR対国務省・財務省、(5)大統領対官僚――に分けることができる。(P79)

 これを図に表わすと以下の通り。

4

 各省長官の縄張り争い・主導権争いが垣間見えます。

※P82では「商務省・USTR対国務省」となっており、説明文でもUSTRが出てくることから図ではP82の記述に従った。

【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店

【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)

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