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辺真一『大統領を殺す国 韓国』角川書店

 本書の第1章~第9章では韓国の歴代大統領(およびその悲惨な末路)を振り返り、第10章で「韓国大統領はなぜ殺されるのか」について述べています。
 尚、本書は朴槿恵政権時代に書かれたものなので、彼女がその後どうなったのかまでは書かれていません。ただ、任期を全うできずに弾劾・逮捕というのは、歴代大統領の中でもひどい方じゃないかと思えてきました。命がある分だけ、暗殺よりはマシという程度でしょうか。

 それにしても、こうやって大統領が殺され続けていると(※)、元大統領(大統領経験者)を使った外交ができなくなります。
 例えば本書P133では、1994年にアメリカのカーター元大統領が北朝鮮へ特使として派遣されたことが出てきますが、韓国にはそういったことができない。もちろん、首相で「代用」することも可能でしょうけど、重みが違う。特に韓国の場合、大統領の権限が大きいから尚更です。

※「殺され続け」という不穏当な表現はいかがなものかと思う人もいるかもしれませんが、これは本書のタイトルの表現を借りたものです。

【参考文献】
辺真一『大統領を殺す国 韓国』角川書店

『TOKYO HEADLINE Vol.702 2018 1月8日~2月11日』株式会社ヘッドライン

 4面に小池百合子東京都知事のインタビュー記事を掲載。2020年東京オリンピックや東京マラソンなどについて語っており、政治闘争に関する話は見受けられませんでした。
 で、記事の最後はこうしめくくっています。

 都知事自身が2018年に挑戦したいことはなんですか?
「ずっと考えているんですけど、なかなか浮かばないんですよね。どうしよう…まずは来年度予算を成立させることですね(笑)」
(4面)

 もし仮にあったとしても、そう簡単に手の内を明かすわけがあるまい。あるいは言葉通りだとしたら、それはそれで結構。予算を通すのも大事な務めですから。

TOKYO HEADLINE Vol.702 2018 1月8日~2月11日

エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』文藝春秋

 フランスの人類学者エマニュエル・トッドへの複数のインタビュー記事をまとめたもの。

 さて、「ドイツ帝国」とカギカッコが付いていることに留意されたい。これはつまり、本書で述べられている「ドイツ帝国」はナチス・ドイツのドイツ第三帝国などとは違うということを示しています。即ち、今回の「ドイツ帝国」はヨーロッパ各地に広がるドイツ経済圏を指しているのです。
 それでは、その「ドイツ帝国」がどうやって「世界を破滅させる」というのか? 詳細なメカニズムの描写は本書に譲るとして、ここでは一例を引用します。

 ドイツが頑固に緊縮経済を押しつけ、その結果ヨーロッパが世界経済の中で見通しのつかぬ黒い穴のようになったのを見るにつけ、問わないわけにはいかない。ヨーロッパは、二〇世紀の初め以来、ドイツのリーダーシップの下で定期的に自殺する大陸なのではないか、と。(P143)

 二〇世紀の初め以来云々というのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦を念頭に置いているのでしょう。ただし、今回の「自殺」は軍事抜きですが。

【参考文献】
エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』文藝春秋

エマニュエル・トッド 佐藤優『トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲』朝日新聞出版社

 トランプ大統領爆誕を受けて緊急出版された本。エマニュエル・トッドと佐藤優の共著となっていますが、両者が共同執筆や対談をしたというものではなく、トッド氏へのインタビューと佐藤氏の文章を一冊の本にまとめたものとなっています。又、資料として「トランプ氏 共和党候補指名受諾演説」(P37-61)を掲載。
 というわけで、今回のレビュー記事は、
(1)エマニュエル・トッド
(2)佐藤優
(3)トランプ演説
 の三つを軽く取り上げたいと思います。

【エマニュエル・トッド】
 こんなことを述べています。

 まず頭に入れておくべきは、米国の大統領は王様ではない、ということ。スターリンでもない。米国は「チェック・アンド・バランス」に基づく諸制度を備えています。権力があれば、それに対抗する権力もある。米国大統領は完全にその枠の中に収められています。(P36)

 そういえばトランプはイスラム圏の国々からの入国を禁止する大統領令を出したものの、裁判所がそれを停止させたんでしたっけ。それに、チェック機関ならば他にも議会だってあります。
 それから、もしもアメリカ大統領が何でもできるのだったら、オバマ政権の8年間で銃規制が進んだだろうし、オバマケアだってもっとすんなり実現したことでしょう。

【佐藤優】
 神学者ラインホールド・ニーバーの『光の子と闇の子』を引用してアメリカ外交を論じています。詳細は本書に譲りますが、神学者の著書を持ち出してくるあたりに、佐藤氏の神学の素養がうかがえないこともない。

【トランプ演説】
 色々とツッコミを入れたくなるところがありますが、とりあえず一つだけ、引っかかったところを引用します。

 私は毎朝、全国各地に存在する人々――ないがしろにされ、無視され、見捨てられた人々のために変化をもたらそうと決意を新たにします。
 私は、解雇された工場労働者や、我が国の最悪かつ不公平な貿易協定に破壊された地域社会を訪問してきました。彼らは、我が国で存在を忘れられた男性や女性たちです。しかし、このままずっと忘れられたままにしてはおきません。懸命に働くも、もはや声を持たざる人々よ。
(P45)

 ここでトランプが言及した人たちの票を掘り起こしたのは彼の功績と言っていい。存在を忘れられていようとも、一人一票という民主主義の原則は不変ですからね。
 もしもトランプ旋風の如きものを日本でも巻き起こしたいと思っている政治家がいるとしたら、過激な言動という上っ面だけ真似するんじゃなくて、このような票の掘り起こし作業を忘れちゃいけませんよ、と言いたい。

【参考文献】
エマニュエル・トッド 佐藤優『トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲』朝日新聞出版社

ドナルド・トランプ

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ドナルド・トランプ(目次)

町山智浩『さらば白人国家アメリカ』講談社

 2016年のアメリカ大統領選挙を描いたもの。
 本書は奥付によると2016年10月28日第1刷発行とあり、本選の投開票の直前に出されたものです。従って本書では誰が次期大統領になるのかは書いていませんが、結果は皆さんも御存知の通り、ドナルド・トランプが勝利しました。
 さて、トランプが大統領に就任した2017年に本書を読んだのですが、他の候補者たちに較べてトランプの扱いが圧倒的に大きいのに気付きました。プロローグのタイトルは「ドナルド・トランプの支持者たちは拳銃を提げていた」、第3章のタイトルは「トランプの予備選無双」、第4章のタイトルは「トランプ旋風の勝利」といった具合です。文量だけ見れば、まるで本書がトランプ大統領爆誕を予期していたかのようです。
 まあ、トランプはそれだけキャラが立っているし、トランプ旋風という特異な現象に注目してしまうのも当然か。
 尚、念のために言っておくと、著者(町山智浩)はトランプに批判的な立場を取っています。例えば予備選の段階で、著者はこう書いています。

 雇用問題についてトランプは「中国と日本から仕事を取り返す」と言う。でも、いったいどの職を、どうやって? 具体策はない。
 医療保険については「オバマケアは廃止する。もっといい別の何かにする」と極めて曖昧。今のところ、まじめに考えてないのは明らかだ。
(P194)

 こんな状態でよく勝ち抜けたものだ…。それはそれで凄いことではある。

ドナルド・トランプ

【参考文献】
町山智浩『さらば白人国家アメリカ』講談社

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ドナルド・トランプ(目次)

『METROPOLIS August 2017』メトロポリスジャパン

 "Make Japan Great Again"(P18-21, 文:ジャック・ヘスルハースト)という記事に注目。このタイトルは言うまでもなく、ドナルド・トランプのスローガン"Make America Great Again"をもじったものです。
 さて、冒頭の文章を訳してみました。

 日本についての決まり文句は、秩序ある同質性の不思議な国のような印象を与えている。調和が支配し、紛争が回避され、集団意志が何より尊重される場所、これから流れてくるのは、もう一つの永続的な罠:日本は政治に無関心である――日本社会の垂直で摩擦のない構造は、政治的な不満や葛藤が単に存在しないことを意味する。(P18)

 そして記事では右翼団体、日本会議、そして固有名詞こそ出さないものの塚本幼稚園を取り上げています。右翼勢力の興隆の例として挙げられているんでしょうけど、塚本幼稚園は保育士不足で閉園になったんでしたっけ。
 まあ、こちらの記事自体も、(私が読む限りでは)そこまで興隆してるってほどじゃないという論調のようです。

METROPOLIS August 2017

平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第8区)(2)木内たかたね

 選挙公報には「希望の党9の公約」を掲載。どこかで見たことあるなと思ったら、比例代表の希望の党の選挙公報に書いてあるのと同じですな。

平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第8区)(2)木内たかたね

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平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第8区)(1)円より子

 この選挙公報の第一印象は、イラストの比重が大きいということです。
 いえね、イラストを使うのは別にいいんですよ。でも、これだけスペースを取っているのを見ると、他にも書くこと(例:具体的な政策・実績)があるだろとツッコミを入れたくなります。

平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第8区)(1)円より子

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平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第5区)(2)手塚よしお

 こちらの選挙公報では具体的な政策は…

原発ゼロ
教育無償化

 これだけです。たったこれだけ!?
 そしてその代わりにというべきなのか、スペースの左半分で書かれているのが、他党及びライバル候補への批判です。具体的な党名こそ出さないものの、「選挙目当て・自分ファーストの新党騒動」と希望の党を批判し、ライバル候補の若宮けんじ&福田峰之については「自民党候補VS先月まで自民党だった候補の空虚な争い」と述べています。

平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第5区)(2)手塚よしお

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平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第5区)(1)福田峰之

 自民党議員だったのが、今回の選挙で自民党を離党して希望の党に入り、更に選挙区を神奈川県から東京(目黒・世田谷)に変えて立候補した人です。
 プロフィールによると、

目黒サレジオ幼稚園
東京学芸大学附属世田谷小・中学校

 とあり、世田谷区と目黒区には縁があるぞとアピールしているようです。
 それはさておき、公約はというと、「希望の党9の公約」を掲載。…って、これ、比例代表の希望の党の選挙公報に掲載しているのと全く同じだぞ。自分独自のアピールしたい政策はないのかよとツッコミを入れたくなります。

平成29年10月22日執行 衆議院(小選挙区選出)議員選挙選挙公報(東京都第5区)(1)福田峰之

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