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平成31年4月21日執行 杉並区議会議員選挙選挙公報

(1)高橋しょうご(落選)
高橋しょうご
 懐かしい名前を発見。この人は都知事選に立候補していました。もちろん泡沫候補としてです。都知事選の当落については言わずもがな。
 選挙公報で生存確認するのもどうかと思いますが、お元気そうで何よりです。

(2)よこた政直(落選)
よこた政直
 「みんなの党公認」とあります。みんなの党ってまだあったの!? 少々調べてみると、どうやら復活していたらしい。

平成31年4月21日執行 世田谷区議会議員選挙選挙公報

(1)上川あや(当選)
上川あや
 LGBT議員。
 選挙公報の左下の「応援します」と題した囲みの中に2人の名前を掲載。その2人とは以下の通り。

社会学者
宮台真司

漫画家「弟の夫」原作
田亀源五郎

 宮台真司はともかくとして、田亀源五郎の名前を見た時には心の中で「ファッ!?」と言ってしまいました。田亀源五郎はハードな描写のホモマンガを描いているのを私は知っているからです。たまげたなあ。

(2)木村ユースケ(落選)
木村ユースケ
 選挙公報にこんなことを書いています。

衆議院議員手塚よしお・落合貴之の秘書として、
世田谷のすみからすみまで駆け回ってきた僕こそが、
この街が抱えている課題に真正面から向き合い、
解決策を探していきたいと思っています。
僕たちの世田谷ですから。

 意地の悪い見方をすれば、立候補した段階でまだ「解決策」を提示していないということになります。
 こちらの選挙公報をチェックしただけでも、他の候補者たちの多くは「解決策」を色々と提示しているのが見て取れます、例えば「最低賃金を1200円に」(藤井まな)とか、「三軒茶屋駅南口にエレベーターを設置します!」(津上ひとし)などです。(もちろんそれぞれに賛成・反対はあるでしょうが、それは各人が判断して投票行動に活かせばいいことです。)
 しかるに、木村ユースケ氏の選挙公報はそういったレベルに達しておらず、少なくとも私には見劣りがします。

黒井文太郎『イスラム国の正体』KKベストセラーズ

 著者はジャーナリスト。

 「第4章 オバマ vs. イスラム国」(P87-118)では、オバマ政権がイスラム国(IS、ISIS、ISIL、ダーイシュ)への軍事介入に当初は及び腰だった経緯が書かれています。
 これをもって「オバマは腰抜けだ!」と批判するのはたやすいのでしょうが、ためらうにはそれ相応の理由があったことを忘れてはなりません。本書でも指摘されていますが、それはアメリカがアフガニスタンとイラクの泥沼にはまり込んだという直近の出来事です。
 ここで私が想起するのは映画「ハート・ロッカー」です。この映画はまさに当時のイラクの泥沼で苦闘するアメリカ軍兵士を描いたもので、私なんかはこれを観終えるとグッタリしてしまいました。この映画ではその泥沼感がうまく表現されているようです。

 さて、イスラム国との戦いに話を戻すと、イスラム国の数々の残虐行為によりオバマ政権も軍事介入に舵を切りました。その後、トランプ政権の時代にイスラム国の「首都」ラッカが陥落したのは皆さん御存知の通り。
 ただし、拠点が陥落してもイスラム国の構成員は潜伏工作員(sleeper cell)として残っており、テロの脅威は依然として存在します。
 だとすると、また泥沼化するんでしょうかね。

【参考文献】
黒井文太郎『イスラム国の正体』KKベストセラーズ

国枝昌樹『イスラム国の正体』朝日新聞社

 著者は元外交官。

 さて、今回本書を読んで気になったのが、イスラム国(IS、ISIS、ISIL、ダーイシュ)の指導者でカリフを自称しているアブ・バクル・バグダディについて書いたくだりです。

 わたしは、彼の演説から手練れた説教師という印象を受けました。モスクでバグダディがしゃべったのは、コーランの時代の言葉です。コーランは7世紀の言葉で書かれたものなので、現代、21世紀のアラビア語(口語)とはかなり違います。日本でいえば、漢文に相当する言葉で、フスハー(正則アラビア語)といいます。
 イスラムの知識人は、いわば漢文で文章を書き、ふだん話すときは現代口語というふうに使い分けています。しかし、コーランを論じる人たちは、この正則アラビア語、つまり漢文調で演説をするわけです。かならずしもやさしくありません。バグダディの演説を聞きましたが、よどみのない正則アラビア語だったので、これは案外教養がある人物だなと感じられました。(P35)

 もし仮にバグダディを捕えてサダム・フセインのように裁判にかけたとしたら、バグダディはその正則アラビア語で反論・弁明するんでしょうな。ひょっとしたら、原告を論破してしまう、なんてこともあるかもしれません。
 あるいは、アブ・ムサブ・アルザルカウィ(ザルカウィ)のように空爆で死亡するかもしれないし、ウサマ・ビン・ラディンのようにその場で殺されるかもしれません。バグダディを正当な政府の代表と見なすのではなく、テロリスト集団の親玉だとみなすのならば、彼はザルカウィやウサマのような末路を辿る可能性が高い。
 尚、世界各国はイスラム国を国としては承認しておらず、従ってイスラム国は所詮は自称国家。又、ムスリムの大多数もバグダディをカリフとは認めていないから、バグダディは自称カリフに過ぎない。おそらく今後もそれは変わらないでしょう。

【参考文献】
国枝昌樹『イスラム国の正体』朝日新聞社

『METROPOLIS June 2018』メトロポリスジャパン

 本誌P34に小池百合子東京都知事のインタビュー記事を掲載。本誌は英語誌なので記事は全文英語です。
 というわけで、一部訳してみました。

【拙訳】
メトロポリス:2020年オリンピックの準備に向けて、外国人居住者にどのような周知をしていますか? ここに住んで働く外国人に、その大会はどんな効果があると思いますか?
小池:私たちは現在、東京の(外国人)コミュニティに英語及び他の言語で知らせる準備をしています。最近、私たちはオリンピックのための新しい道路の建設を正式決定しました。それが、私たちがオリンピックについてさらに公報し、広告を計る理由です。
(P34)

 後半の質問には答えていないような気がしますが、それなら私が代わりに答えるとしましょうか。
 愚考するに、お祭り効果はあると思います。彼ら外国人居住者だってそれぞれ自国の選手を応援しますからね。

METROPOLIS June 2018

『2018 紀伊國屋じんぶん大賞 読者と選ぶ人文書ベスト30』紀伊國屋書店じんぶん大賞2018事務局

 第20位に佐藤優『学生を戦地に送るには 田辺元「悪魔の京大講義」を読む』新潮社がランクイン。佐藤氏の著書はいくらか読んでいたので引っかかった次第。
 紹介文をちょっと引用します。

 今の日本政治に対する佐藤優の危機感が強く表れた講義録です。

 だとすると、本書のタイトルが意味するものは…。

2018 紀伊國屋じんぶん大賞 読者と選ぶ人文書ベスト30

町山智浩『実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017』文藝春秋

 週刊文春連載のコラムをまとめたもの。
 表紙の巨大トランプロボットの頭に搭乗してこれを操縦しているのが、スティーブン・バノン。彼は影の大統領とも呼ばれていましたっけ。

「暗黒はね、いいもんだよ」
 ハリウッド・レポーター紙(11月18日付)の取材にバノンはこう答えている。「ディック・チェイニー、ダース・ベイダー……暗黒は力だ」
(P279)

 日本だったら中二病をこじらせているイタい人扱いされそうですが、こんなのがアメリカ大統領のブレーンを務めていたわけですな。もっとも、バノンは一年ももたずに顧問をクビになりましたが。

 次に、トランプの経済政策についても少し触れておきます。

 トランプがいくら輸入品を規制しても、ラストベルトの工業地帯は復活しないだろう。工業そのもののオートメーション化が進んで、昔ほど人手を必要としなくなったからだ。(P263)

 著者(町山智浩)はこのように見通しを語っていますが、それでも少しは雇用が増える。どんなにオートメーション化が進んでもこれを操作する人員は必要だし、稼働している工場には清掃員や警備員などが必要になるからです。
 するとトランプ大統領はこれを大袈裟にアピールし、「俺の手柄だ!」と自慢。彼の支持者たちはそれを「真実」(いわゆるポスト真実)として信じるし、これに対して誰かが数字を挙げて反論したとしても「フェイクニュース」として排撃される…。
 そんな光景が目に浮かぶようです。

 それから、私は今回本書を読んで、"Heil, Trump!"(P200)や"Gays for Trump"(P264)といったトランプネタを新たに採集することができました。今後の話のネタに活かしていきたいと思います。

【参考文献】
町山智浩『実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017』文藝春秋

ドナルド・トランプ

【関連記事】
ドナルド・トランプ(目次)

竹腰将弘・小松公生『カジノ狂想曲 日本に賭博場はいらない』新日本出版社

 タイトルで一目瞭然ですが、日本でのカジノ解禁に反対する本。
 本書の中でカジノ反対論を述べる議員が日本共産党の議員ばかりだなあと思っていたら、巻末の奥付の「著者紹介」にこうありました。

竹腰将弘(たけこしまさひろ)
 1961年北海道生まれ。「しんぶん赤旗」社会部記者

小松公生(こまつきみお)
 1956年岩手県生まれ。日本共産党政策委員会 政治・外交委員

 しんぶん赤旗は日本共産党が発行する機関誌であることは改めて申し上げるまでもありますまい。又、本書を発行している新日本出版社は共産党系の書籍を多く出版しているところです。
 そもそも日本共産党はカジノ解禁に反対しており、本書はその主張を形にしたものだ、と見ることができるのです。

 さて、本書の中味についても少し取り上げることにしましょう。
 本書ではカジノの問題点を色々と挙げていますが、その中でこんなことを書いています。

 さらに問題なのは、カジノを開設したからといって、自動的に成功が保障されているわけではないということです。つまり、大王製紙の井川前会長のようなVIPをどれだけ確保できるかが、カジノの運営と収入を決定的に左右します。(P131)

 そういえばドナルド・トランプもカジノ経営には失敗していましたっけ(トランプ・タージ・マハル)。
 それにしても、「井川会長のようなVIP」ですか。彼らVIPは、自分のポケットマネーだけで遊んでいる分にはいいんでしょうけど、引用文中に出てきた井川意高(もとたか)氏のようにやらかしてしまうのは困る。大王製紙がどれだけダメージを負ったのかを見れば、井川氏の「自己責任」だけでは到底片付けられないからです。

【参考文献】
竹腰将弘・小松公生『カジノ狂想曲 日本に賭博場はいらない』新日本出版社

【関連記事】
苫米地英人『カジノは日本を救うのか?』サイゾー

菅野完『日本会議の研究』扶桑社

 安倍晋三政権を支える圧力団体・日本会議とは何かを突き止めようとした労作。尚、私がここで「突き止めようとした」と書いたのは、本書巻末の「むすびにかえて」(P295-298)で著者が「あまりにも大量の『書かねばならぬのに書けなかったこと』がある」(P295)と述べているのを受けてのことです。
 とはいえ、生長の家(※)との関係や元号法制定運動、憲法改正など大まかな流れはわかるので、一般教養として読むには充分だと思われます。

 ところで、本書において著者(菅野完)は色々と毒舌をふるっています。例えば2015年の「今こそ憲法改正を! 武道館一万人大会」についてリポートしたくだりで、こんなことを書いています。

 国歌斉唱の他に、会場の一体感が生まれた瞬間があと2つある。「日本国憲法を作った国・アメリカ出身です」と自己紹介したケント・ギルバートが「(9条を堅持するのは)怪しい新興宗教の教義です」と発言した瞬間と、当日予告編が初上映された改憲プロパガンダ映画のプロデューサーだという百田尚樹が「(日本人の目をくらますのは)朝日新聞、あ、言ってしまった」と発言した瞬間だ。
 ケント・ギルバートの発言は、彼がモルモン教の宣教師として来日したことや当該発言が崇教真光や霊友会や佛所護念会教団の動員によって占められる聴衆に向かって発せられたことを考えると、「2015年おまえがいうな大賞」でも授与したいところだ。百田尚樹の発言も「まだそのネタで飯を食おうとしてるの?」と哀れみをもって接するべき性格のものでしかない。
(P131)

 よくもまあここまで書いたものだ。これは著者の性格によるところが大きいんじゃないかと思います。
 読者の皆さんは、本書を読む上で彼の毒気に当てられないようご注意下さい。
 尚、引用文中に出てきた「改憲プロパガンダ映画」とは、どうやら「世界は変わった 日本の憲法は?」というドキュメンタリー作品らしい。これは40分程の長さで、(本記事を書いている時点では)YouTubeで無料公開されています。
 この映画についても言いたいことはありますが、そもそも本記事は『日本会議の研究』のレビューなので割愛。ともかくも、日本会議の主張を知る上で貴重な資料だと言えます。

※本書の中でも度々指摘されているが、生長の家は現在、政治運動からは手を引いている。

【参考文献】
菅野完『日本会議の研究』扶桑社

『intoxicate #132 2018 February』タワーレコード

 「ドナルド・トランプと2017年アメリカの音楽」(P06-07, text:五十嵐正)という記事に注目。トランプに抗議する楽曲の数々を取り上げています。
 正直言って、こんなにあったのかと驚きましたが、トランプならばさもありなんとも思います。
 ところで、本記事の中でニール・ヤングの「Already Great」という曲が取り上げられていました。もちろんこのタイトルは、トランプの選挙スローガン"Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)"に対して、アメリカは既に偉大だよと言っているわけです。
 それから、この曲の歌詞を途中まで訳してみました。ミュージックビデオでは語りかけるような曲調に感じられたので、そういう風に訳すよう心がけました。

【拙訳】
「もう偉大だよ」

ところで俺はカナダ人だけどさ
アメリカは大好きだぜ
(アメリカの友人よ)
こいつが気に入ってるんだ
活動の自由と言論の自由

もう偉大だよ
あんたはもう偉大だよ
あんたは約束の地
あんたは救いの手

今朝起きて
あんたとあんたの新しい取引について考えている
(アメリカの友人よ)
あんたのくつに合わせようとしている
あんたの感じるように感じようとしている

もう偉大だよ
あんたはもう偉大だよ
あんたは約束の地
あんたは救いの手

壁もいらない
禁止令もいらない
アメリカにファシストはいらない

壁もいらない
禁止令もいらない
アメリカにファシストはいらない
(以下略)

 歌詞の中で言及されている壁というのは、トランプが建設を訴えているメキシコ国境の壁、いわゆるトランプ・ウォールのことでしょう。それから、禁止令はイスラム圏の国々からの入国を禁止する大統領令だと思われます。ファシストについては言わずもがな。

 さて、話を記事に戻します。
 この記事では他にも興味深い曲が見受けられますが、それらについては省略。後はご自分の目と耳でお確かめ下さい。

intoxicate #132 2018 February

【関連記事】
ドナルド・トランプ(目次)

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