チビルマ「実話怪談という呪い」
あらすじ…高校生の時、怪談仲間のS君がカーナビのモニターを撮った写真を見せてきた。そこには、「葬山」とあった。
実話怪談とは何か? 本作によると、実話怪談とは「実際に起きた不可解な現象についての物語」(P13)とのこと。ちなみに私、実話怪談は吉田悠軌がオカルトエンタメ大学などで語っているのを聴いたことがあるので、初耳というわけではなく、しかも「葬山」の話もどこかで聴いた覚えがあります。
さて、この作品の前半は「葬山」の話で、後半は作者が蒐集した実話怪談4本を掲載。4本はいずれも短いもので、ショートショートといった趣があります。
ところで、ふと思ったのですが、井上円了ならばこれをどう読むのでしょうか? 井上円了を知らない人のために簡単に説明しておくと、彼は怪異を否定して科学的に説明しようとした妖怪博士です。
まず葬山ですが、これは単なるカーナビのバグ(不具合)で、たまたま葬山などというおどろおどろしい名前が表示されたら怪談となっただけで、例えばこれが「へっぽこ山」と表示されていたら笑い話となっていたかもしれません。
次に、銀座の焼肉屋の話(ここではストーリーを省略。興味をお持ちの方は本作をお読み下さい)ですが、これはAさんか中年女性のどちらかが記憶違いをしている可能性があります。Aさんがその焼肉屋に行ったのが3年前ではなくもっと前だった、あるいは先代の店主が3年前に既に死んでいたというのは中年女性の思い違いで、死んだのはもう少し後だった、という具合です。
さて、疲れてきたので井上円了はここいらで店仕舞いとしますが、ともかくこういう読み方もある、ということは申し上げておきます。
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