麻布競馬場「港区に生まれただけなのに」
あらすじ…主人公は麻布台ヒルズの裏手のイタリア料理店で友人の森嶋の送別会を開く。主人公は、港区生まれの森嶋に劣等感コンプレックスを抱いていた。
タイトルの「港区に生まれただけなのに」の主語は、主人公ではなく森嶋です。そのことに気付くと、森嶋にしてみれば友人からここまでウジウジ思われるのは、自分が「港区に生まれただけ」という理由で…って、そりゃ理不尽でしょうな。まあ、それ以外にも、「いつだって余裕に満ちた態度」(P24)や、あまりにもあっさりと東京を捨てようとしている(P24)ところなども要因として挙げられるかもしれません。
この作品では主人公が森嶋に対して色々と思うところが述べられていて、それで話が終わっています。だがちょっと待てよ。ひょっとしたら森嶋にだって、森嶋なりの悩み・苦しみがあるのかもしれません。ただ、主人公にはそれが見えていないだけで。
【参考文献】
『metromin. LOCALRHYTHM 2.20 issue MAR. 2025 No.267』スターツ出版株式会社(P24-25)
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