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開運鬼子母尊神安置の碑(覚蔵寺)

 東京都杉並区の覚蔵寺にある、開運鬼子母尊神安置の碑を解読してみました。

開運鬼子母尊神安置の碑

【碑文】
(正面)
高祖/御作 開運鬼子母尊神安置

(背面)
寄附連名
(※氏名多数につき、これを省略)

(右面)
大正六年三月魔訶吉祥日
 
發願主
 當山廿八世 真隆院日運代建

(左面)
當山ハ慶長年間實成院日相上人の創立にして爾来三百余年堂内安置し奉
る開運鬼子母尊神ハ建長年中宗祖大士御作一寸五分の尊像なり後享保年
間十世日耀上人鎌倉松葉ヶ谷妙本寺より移安し奉れるものなり十四代日
程の時西丸一橋清水家へ内拝し目録を領し且つ拾六石の朱印を賜ふ委細
ハ武蔵風土記江戸名所圖繪豐多摩郡史等參見茲年大正六年開山上人の三
百年忌を紀念し縁起の概畧を叙して後世に傳ふ 清月山廿八世日運誌

(台座・正面)
覺蔵寺

(台座・背面)
檀家總代
荒川銀之助
荒川宇之助
荒川兼吉
池田泰三郎
池田斧吉
 
世話人
小宮作蔵
美山平蔵
荒川仙之助
 
石工福田信次郎刻
   雲山書丹

【現代語訳】
 当寺(覚蔵寺)は慶長年間(1596~1615年)に実成院日相上人が創立したものであり、それ以来300余年(が経った)。堂内に安置している鬼子母神像は建長年間(1249~1256年)に宗祖(日蓮)がお作りになった一寸五分の尊像である。後に享保年間(1716~1736年)、第10代住職・日耀上人が鎌倉松葉ヶ谷の妙本寺から移されたものである。第14代住職・日程の時に、(江戸城)西の丸で一橋家・清水家が(この像を)内々に拝し、領知目録と16石の朱印状を貰った。詳しいことは『新編武蔵風土記稿』『江戸名所図会』『東京府豊多摩郡誌』などにある。
 この年、大正6年(1917年)、開山上人(日相)の300年忌を記念し、寺の縁起の概略を記して後世に伝える。
   清月山覚蔵寺第28代住職・日運が記す。

 碑文では鬼子母神の「鬼」の字の、頭の「ノ」が書いてありません。これはツノが取れたからです。
 それから、ここに書かれていることは概略で、詳しいことは以下の文献にあるとして、3点を列挙しています。つまり、覚蔵寺についてこれ以上詳しいことを知りたかったら、そちらを当たるべし、ということなのでしょう。こうして参照するべき文献を提示してくれるのはありがたい。

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