本堂客殿庫裡改修築の碑(大正寺)
東京都調布市の大正寺にある、本堂客殿庫裡改修築の碑を解読してみました。
【碑文】
(表)
本堂客殿庫裡改修築の碑
三榮山大正寺は大正四年四月旧栄
法寺不動院宝性寺の併合による新
建立の練若にして今の本堂は即ち
栄法寺本堂である 文政十年の造
営にかゝり既に百三十余年を閲し
此地に移築後概ね五十年に垂んと
する此の間大正十二年九月の関東
大震災に次で大東亜戦に遭い幸に
大禍を免れて今日に至つた 然る
に挽近朽廃度の甚だ顕著なるを見
るに及び 貧道之が改修及客殿庫
裡の新築を発願し提議以て檀越に
謀り其賛助を乞う異なし 仍て昭
和三十四年工を起す 工程三年茲
に無魔落成の大願を成就し得たの
は一に本尊冥護の致す所ろ 併せ
て檀越諸賢協力の賜ものによる所
と至心感謝し 更に願はくは此の
功徳によつて三宝興隆し伽藍安穏
ならん事を 爰に事由を貞石に録
し以て傳うと云爾
昭和三十六年十一月五日
三榮山大正寺第二世亮豊
(裏)
大正寺檀徒總代
杉崎粂吉
小野万三
原甲一
田村理吉
土方隆一
粕谷泰蔵
杉崎逸三
田村右多造
間橋達雄
中村浪治
榎本慎吾
小山国治
山口時次郎
杉山高
棟梁安田貞二
碑文は少々難しいところがあるものの、私が現代語訳するほどではないと思いましたので、ここでの現代語訳はやめておきます。ただ、いくつかの用語について簡単に解説しておきます。
貧道…自称。この場合は碑文を書いた亮豊のこと。
檀越(だんおつ)…施主。
無魔(むま)…邪魔が入ることなく。
貞石(ていせき)…堅い石。
それから、碑文の出来事を年代順に整理してみました。
文政10年(1827年) 栄法寺本堂を造営。
大正4年(1915年)4月 栄法寺・不動院・宝性寺が合併して大正寺に。
大正12年(1923年)9月 関東大震災。
昭和16~20年(1941~45年) 大東亜戦争。
昭和34年(1959年) 本堂改修、客殿・庫裡の新築工事を起工。
昭和36年(1961年) 落成。
同年11月6日 この碑を建てる。
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