福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(3)アン・ネヴィルへの求婚
第一幕第二場で、グロスター公リチャードはアン・ネヴィルにプロポーズしました。普通ならラブロマンスのシーンになるところですが、読む限りでは全くそんな気配は感じられません。
それもそのはずで、アン・ネヴィルの夫であるエドワード王子を殺したのが他ならぬリチャードであり、しかもアンがエドワード王子の父ヘンリー六世の棺を運んでいる最中という、TPOを全くわきまえないプロポーズだからです。全く以てグロテスクなプロポーズですわ。
当然ながら雰囲気は最悪です。しかし不思議なことに、このプロポーズは成功し、後にアンはリチャード三世の王妃となって登場します。この状況下で、なぜ受諾した?
でもまあ、世の中には悪い男に引っかかる女性もいますからね(例:ハーリーン・クインゼル)。アンもそんな女性の一人だったのかもしれません。
【参考文献】
福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(目次)
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