武田静澄著『日本の伝説の旅(下)』社会思想研究会出版部(5)クリの長者の埋蔵金
今回は佐賀県にある埋蔵金伝説を取り上げます。
昔々、久池井というところに、クリの長者がいました。川上川の堤防が決壊しそうになった時、クリの長者は米蔵から米俵を取り出して堤防を強化し、水害を防ぎました。ところが…
そのことがあってから、急に長者の家運はかたむいて、ついに没落してしまった。長者は息をひきとるとき、クリの木の根もとに、金椀<きんわん>一〇〇〇束<ぞく>と銀椀<ぎんわん>一〇〇〇束がうずめてあるから、発掘したものに与える、と遺言して死んだ。それから、大ぜいのものがそのナゾをとこうとした。だが、いまだにとくとことができないということである。(P209)
単純な疑問が一つ。クリの長者は死んだ時点で没落していたのに、埋蔵するほどの財産があったというのはどうにも矛盾するように思えます。まあ、財産の中にはすぐに現金化できないものもあるから、金椀・銀椀もひょっとしたらその類だったのかもしれません。
それから埋蔵場所についてですが、「クリの木の根もと」というのを言葉通りに受け取ってはいけません。これを言葉通りに受け取って、栗の木という栗の木を掘り返しまくって結局は徒労に終わった人たちがいるはずだからです。
それではどういう意味かって? そんなこと、私にわかるはずがないですよ。
【参考文献】
武田静澄著『日本の伝説の旅(下)』社会思想研究会出版部
【埋蔵金関連記事】
・わらべ唄に隠された徳川埋蔵金を追う!
エドガー・アラン・ポー「黄金虫」
江戸川乱歩「仮面の恐怖王」
雑誌『禁談』(5)わらべ唄に隠された徳川埋蔵金の在処(P91-94)
武田静澄著『日本の伝説の旅(下)』社会思想研究会出版部(2)福田の埋蔵金
松岡和子訳『アテネのタイモン シェイクスピア全集29』筑摩書房
八重野充弘『埋蔵金伝説を歩く ボクはトレジャーハンター』角川学芸出版
魯迅「白光」
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