福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(5)第二の求婚
リッチモンド伯ヘンリー(ランカスター派)という強敵が立ちはだかる中、リチャード三世は起死回生の策(?)として、政略結婚を目論見ます。ちなみにアン・ネヴィルはいつの間にか暗殺されたので、この時点でリチャードは独身です。
政略結婚自体は当時の王族としては珍しくないのですが、問題なのは結婚相手です。こともあろうに、兄エドワード四世の娘エリザベス(リチャードの姪に当たる)で、彼女の母で同名のエリザベスに「娘と結婚させてくれ」と頼み込んでいます(第四幕第四場)。
叔父と姪の結婚も問題ですが、それ以前にリチャード三世は求婚相手の兄弟三人(グレー卿、エドワード五世、ヨーク公リチャード)や叔父(リヴァーズ伯、クラレンス公ジョージ)を殺していることもお忘れなく。
アン・ネヴィルへの求婚もグロテスクでしたけど、こっちもなかなかグロテスクですな。
【参考文献】
福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(目次)
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