リンカーン・プロジェクト:共和党テレビ討論会(2023年、アメリカ)
この動画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/XJBjqxdutYg?si=i9JMh368cauLBxbT
原題:JV
製作:リンカーン・プロジェクト
備考:プロパガンダ
あらすじ…共和党大統領討論会を人形劇で上演してみた。
原題は"JV"で、調べてみたらジョイント・ベンチャー(企業共同体)という意味でした。どうやら、共和党がある種の共同体になっていると言いたいようです。しかしそれだとわかりにくいので、邦題ではわかりやすく「共和党テレビ討論会」としました。
それでは拙訳をどうぞ。
【拙訳】
フォックス・ニュースは第1回討論会の映像の使用を許可しないでしょう。
アメリカへのサービスとして、リンカーン・プロジェクトは事前上演をお見せします。
この事前上演はフィクションです。
生死を問わず、実際の人物や実際の出来事との類似は全くの偶然です。
ブレット・ベアー「2024年大統領選挙の第1回討論会において、ドナルド・トランプ、クリス・クリスティー、マイク・ペンス、ニッキー・ヘイリー、そして他二人を歓迎できることを誇りに思います」
トランプ「言っておくが、司会者が『ホット』で嬉しいよ。いつも私に優しくしてくれたわけではないブレットだけどね。でも彼には仕事が必要だ。だが我々は『ホット』を愛する。大統領である私と一緒に女性を再び『ホット』にするんだ、アメリカを再び『ホット』にするんだ」
クリス・クリスティー「これは明らかに大統領としての資格のない人物によるただの嫌悪感に満ちた戯言だ。それから私はここにいる残りの候補者を代表して話していると思いますが、私が撤退する準備ができているという時、あなた(トランプ)を再び支持します。(トランプにすり寄って)今夜はここにいてもいいですか?」
トランプ「好きにしろ。今夜はお前の体をからかうつもりはない。もうお前の体じゃないからな。私のものだ。お前は俺のもの、っていう奴隷制。奴隷制を覚えてる? 元に戻すんだ。今度は黒人だけじゃないぞ」
ニッキー・ヘイリー「それはとんでもない発言であり、私は絶対に同意しません。そしてまた、4か月後に私があなたを支持して『あなたは私が今まであった中で最も名誉ある人物です』と言ったとしても、それを聞くのを拒否なさるのでしょう」
トランプ「支持をありがとう、ニーナ」
ニッキー・ヘイリー「ニッキーです」
トランプ「いや、ニーナだと思うよ。ニーナって言ったじゃん」
ニッキー・ヘイリー「私のこと覚えてないのですか? あなたがひどいことを言うたびに私はあなたのケツを(ピー)」
ブレット・ベアー「再開します。他の変人どもの話を聞いてみましょう。私を信じて下さい。私は変人を知っています。フォックス・ニュースで働いているのですから」
マイク・ペンス「1月6日のこと(※連邦議事堂襲撃事件)が最近よく話題になっています。1月6日をかろうじて生き残ったので、1月6日のことは決して起こらなかったと私は直接知っています」
トランプ「いい子だ」
ロン・デサンティス「話してもいいですか? 私はこう言いたい、目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた、…」
トランプ「実にいい点だ」
クリス・クリスティー「そうですね」
ブレット・ベアー「反論したい人はいますか?」
ラマスワミ「ええと、どうなんでしょう、目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた?」
トランプ「あれはムスリムか?」
ブレット・ベアー「デサンティス知事、あなたの受け止めは?」
ロン・デサンティス「目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた、目覚めた、…。もううんざりだ、目覚めたなんて」
ラマスワミ「目覚めた!」
全員「目覚めた!」
ブレット・ベアー「この最初のフォックス・ニュースの共和党予備選討論会の結論としては」
ダグ・バーガム「私は行けなかった」
マーサ・マクカラム「このマザー×××××は実在しない!」
実際にはトランプは討論会を欠席しました。その上、討論会の時間にタッカー・カールソンとのインタビュー映像を公開して「対抗」してみせました(よりにもよってタッカー・カールソンかよ…)。
トランプの目算としては、討論会にわざわざ出なくても指名は得られると踏んでいるようです。実際、共和党内でのトランプの支持率は頭抜けて高いですからね。
それから作品中に出てきた用語の解説を一つしておきます。ロン・デサンティスが連呼していた「目覚めた(Woke)」というのは、日本だと「意識高い系」のような意味で、保守派がリベラルを非難する言葉として使われています。
ロン・デサンティスはこの語を使いすぎて、ここではこうして風刺されています。
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