榎戸の庚申塔(川崎市多摩区登戸)
神奈川県川崎市多摩区登戸にある、榎戸の庚申塔を解読してみました。尚、この庚申塔は登戸にありますが、歩いて行く場合、登戸駅よりも向ヶ丘遊園駅の方が近いです。
【碑文】
(正面)
庚申神
(右面)
明治三午十一月庚申日建之
(左面)
天下泰平五穀
成就風雨順時
(台座・正面)
北口
同行
(台座)
世話人
伊■尊■
齋■■■
吉沢久右■■
吉田■右エ門
原柳蔵
吉沢俵右エ門
鈴木金三郎
安田吾助
河辺房次郎
齋藤源次郎
小林作右エ門
吉沢紋左エ門
仝 富之助
小泉栄吉
清宮■次郎
吉沢又造
仝 勘右エ門
仝 嘉兵エ
仝 吉太郎
伊藤清三郎
井上鉄■■
清宮■之助
井出■右エ門
先達 吉田金平
※■は解読できず。
庚申塔に貼り付けられている説明板に、碑文の殆どが書かれていました。それによると例えば碑文中の「伊■尊■」は「伊藤尊師」とのこと。
それじゃあ私が解読する意味があるのかというと、説明板に書いてない部分や、説明していない部分にあるんじゃないかと思います。
例えば説明板には世話人の名前が全て記されてはいないのですが、(台座・背面)に記された24名を見ると、うち8名が吉沢姓です。つまり、このあたりは吉沢姓が多い土地だと言えます。
それから、この庚申塔が建てられた明治3年(1870年)11月は、戊辰戦争終結の翌年で、一応は「天下泰平」と言えなくもない。もっとも、数年後には不平士族の反乱が相次ぐという、そんな時代です。これでは天下泰平を願いたくもなる。
ちなみに天下泰平の他に五穀成就と風雨順時も願っていて、風雨順時とは季節が季節通りに巡ることです。
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