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ハムレット第三幕第一場:トイレで苦悶(2013年、アメリカ)

 この自主製作映画は、Vimeoで観ました。
https://vimeo.com/65844370

監督:ジェイメ・バーナット
出演:サシャ・スパイツァー、AJラツキー
原題:Hamlet
原作:ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』

あらすじ…ハムレットがトイレで苦悶する。

 ハムレットが第三幕第一場の冒頭で"to be, or not to be... that is the question."云々と述べるくだりをトイレでやっています。
 しかも、セリフが何かおかしいなと思ったら、実は鏡の向こうの自分と話をしていた、という一種のホラー展開に。これは精神的におかしくなっていますわ。

 ところで、ハムレットはここで何と言っているのでしょうか? 手許の『ハムレット』(岩波文庫)から当該部分を引用してみます。参考までにどうぞ。

 生きるか、死ぬるか、そこが問題なのだ。暴虐な運命の矢玉を心にじっと堪えるのと、海と寄せくるもろもろの困難に剣をとって立ち向い、抵抗してこれを終熄させるのと、どちらが立派な態度か? 死ぬるは眠るに過ぎない。もし眠りによって、この肉体が受けねばならぬ心の苦しみ、悩みのかずかずを絶ち切れるものなら、それこそ専ら望ましい大願成就だ。死ぬるは眠ること、眠るは多分夢見ること。そうだ、そこに故障がある。人の世のわずらいを脱ぎ棄てて、死の眠に就いた時、どんな夢がやって来るかが、ちょっと足踏みさせるのだ。世の禍を、かくも長びかせるわけもそこにある。でなくば、短剣のただ一突で、われとわが身を清算して、すぐ楽になれるのに、浮世の鞭とさげすみにだれが甘んじて堪えているものか。(市河三喜・松浦嘉一訳『ハムレット』岩波書店 P82)

 セリフはまだまだ続きますが、長くなるのでこれくらいにとどめておきます。ともかくも、死ぬことを考えているようです。

 ちなみに原作ではこの後オフィーリアがやってくるのですが、オフィーリアは女性なので男子トイレには入ってこられないはず。まあ、トイレの前でオフィーリアが待ち構えているとか、オフィーリア(男)だとか、そこはいくらでもやりようはありますけどね。

【参考文献】
市河三喜・松浦嘉一訳『ハムレット』岩波書店

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シェイクスピア(目次)

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