ならず者(1943年、アメリカ)
監督:ハワード・ヒューズ
主演:ジャック・ビューテル、ジェーン・ラッセル、ウォルター・ヒューストン、トーマス・ミッチェル
原題:The Outlaw
備考:西部劇
あらすじ…保安官パット・ギャレットのもとへ、友人で賭博師のドク・ホリデイがやってくる。何者かに赤毛の馬を盗まれたというのだ。ドクは馬の目撃情報を得て現場へ赴くと、そこにいたのはビリー・ザ・キッドだった。ドクはパットと協力してビリーを逮捕しようとするが、なぜかビリーとドクは仲良しとなってしまうのだった。
ビリー・ザ・キッドは西部開拓時代に実在したアウトローで、パット・ギャレットはビリーを射殺した保安官(ちなみにドク・ホリデイは「OK牧場の決闘」でワイアット・アープに味方したガンマン)。ただし、この映画は歴史劇というよりも、史実を題材に創作したフィクションと言った方がいい作品です。
さて、この映画の主要な登場人物は全員悪党で、お互いに騙し合いを仕掛けてきます。これは気が抜けない。
それから、BGMが過剰とも思えるシーンがあります。例えばクライマックスの決闘では鳩時計の音を合図に銃を抜くことになるのですが、合図を待つ緊迫したシーンで派手なBGMはかえって邪魔になります。寧ろ、あそこは時計のチクタク音だけでいい。
ところで、この作品には2つの三角関係が描かれています。一つは、ビリーがドクの愛人のリオを寝取ることで生じる男女の三角関係です。
そしてもう一つは、ビリーとパットとドクの、ホモ・ソーシャルの三角関係です。ビリーがドクの馬や女を盗んでも、ドクは結局許してしまってビリーと仲良くやる。一方、パットは長年の友人であるドクが自分を裏切ってビリーに付くのが我慢ならず、執拗に追いかける…。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、最後の方でパットがとある「告白」をした時に、私は男の三角関係に気付くことができました。
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