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松岡和子訳『ジョン王 シェイクスピア全集32』筑摩書房

あらすじ…偉大な父ヘンリー二世と勇猛な兄から王位を継いだ末子ジョン。フランスと戦うか、和睦か。王位継承者である甥を生かすか、殺すか。ローマ法王と対立か、和解か。悩み、考え抜いた決断はすべて裏目に出て、混乱は深まる。(裏表紙の紹介文より引用)

「ジョン王」人物関係図

 裏表紙の紹介文ではジョン王が「悩み、考え抜いた」とあるものの、本作を読む限りではそんなに考え抜いているようには見えません。冒頭のフランスからの挑戦はともかくとして、その後のフォークンブリッジ家の相続問題ではただ単に甥の肩を持っただけのように見えるし、その直後に母皇のエリナー(エレアノール・オブ・アキテーヌ)がジョン王の「裁定」をひっくり返すようなことをしても特に不満を漏らすことなく受け入れています。その後もフランスとの和平やローマ法王からの破門、アーサーの「始末」、諸侯の離反など様々な問題が降りかかるのですが、そのいずれの対処にも行き当たりばったりの感が否めない。
 それからシェイクスピア劇では独白で自分の考えを長々と述べ立てるという表現方法があって、ハムレットやマクベスではそれが十分にあるのですが、『ジョン王』では私生児フィリップ(サー・リチャード・プランタジネット)が独白しまくっていて、ジョン王にはそれがないのです。

 ちなみにこのジョンが登場する映画を私は何本かレビューしているのですが、そのいずれもが出来のよろしくない人物として描かれています。

冬のライオン(王子時代)
ロビン・フッド(2010年)(国王即位前後)
アイアンクラッド(国王在位中)

【参考文献】
松岡和子訳『ジョン王 シェイクスピア全集32』筑摩書房

【関連記事】
シェイクスピア(目次)

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