源頼朝三度大難を免かるの記の碑(箱根神社)
神奈川県足柄下郡箱根町の箱根神社にある、源頼朝三度大難を免かるの記の碑を解読してみました。
【碑文】
源頼朝三度大難を免かるの記
源頼朝は治承四年八月石橋山の旗
挙げのとき手兵僅かに三百をも
つて三千余騎の敵兵と決戦して敗
れたが箱根山中の峻峰深谷の中
に逃れつゝ数日のあいだ縦横無尽の
踏破を続けながらよく敵軍の急追
を免かれたが この間箱根権現社と
小道地蔵堂と土肥杉山の岩屋で
の三度の危機を脱して奇跡的■
九死一生をえて後遂に平家を■
して武家政治六百余年の基を築
くに至つた この箱根山中三難の
奇跡は日頃信仰の篤かつた関東
総鎮守の当権現の援助とその神霊
の加護によること頗る大である
こゝにその昔日を追想して碑を建て
以て大いに神威を稱揚する
昭和五十三年十二月吉日
箱根神社宮司 脇山好孝
奉納氏子会長 川辺儀三郎
撰文/并書 小田原市文化財保護委員 中野敬次郎
※■は解読できず。
読めなかった文字が2箇所ありました。理由は苔に覆われていたからで、泥なら手持ちのティッシュで拭くところですが、苔を剝がすのはさすがにどうかと思ったのでそのままにしました。
尚、前後の文脈から判断するに、最初の■は「な」もしくは「に」、次の■は「倒」もしくは「滅」ではないかと推測いたします。
さて、碑文を一通り読んでみると、最後の方でちゃっかり箱根神社(箱根権現)の宣伝をしていることがわかります。この碑文を掲げることで、これを読む参拝者たちに、「歴史的にこんなご利益があったんだぞ」とアピールしているわけですな。
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