雄呂血の秘宝 前篇(1955年、日本)
監督:萩原遼、深田金之助
出演:東千代之介、伏見扇太郎、月形龍之介、千原しのぶ
備考:時代劇
あらすじ…源義経が日本に残した財宝のありかを巡って、源義経の遺児・源氏丸と打児珍(ダルチン)&鰐淵重兵衛らが争う!
冒頭でいきなり源義経=成吉思汗(ジンギスカン)(※1)を述べています。しかも、ナレーションで源義経は打児珍に殺されたことになっています(いわゆるナレ死)。この部分の話の気宇壮大さを考えると、映画一本分でも収まりそうにないのですが、いやにあっさりしすぎています。まあ、さすがに大陸のシーンまで撮る予算はないか。
それから、この作品に登場する重要アイテム「キイカップの巻物」に書かれた謎の文字がヘブライ文字(※2)だという話が出てくるのは、日ユ同祖論(※3)を想起させます。そもそも源義経=成吉思汗(ジンギスカン)説はオカルトの世界ではそこそこ知られた話なのですが、日ユ同祖論もオカルトの世界で語られています。そう考えると、この映画の底流にはオカルトが潜んでいるように感じます。
ところで、この映画には検非違使・京極主計頭なる人物が登場して、源氏丸の探索をしています。だがちょっと待てよ、検非違使って京都の治安を維持していた組織のはずで、わざわざ津軽くんだりまで出張しますかね。そもそも京極主計頭自体、鎌倉時代の人には見えない。
そんなわけで後篇に続く。
※1.源義経は大陸に逃れてジンギスカンになった、という説。
※2.ユダヤ人の文字。
※3.ユダヤの失われた十支族の一つが日本人になった、という説。
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