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司馬遼太郎「逃げの小五郎」

あらすじ…但馬出石藩の昌念寺に、正体不明の人物が匿われていた。槍術師範役・堀田半左衛門は昌念寺でその男を見かけ、興味を持つ。

 タイトルでネタバレしているから言っても差し支えないと思いますが、その人物とは逃げの小五郎こと桂小五郎(後の木戸孝允)です。
 さて、この作品は堀田半左衛門の視点で物語が進むのですが、途中で「筆者が代わらねばなるまい」(P294)と言って、筆者こと司馬遼太郎がいわば「神の視点」で蛤御門の変以降の桂小五郎の足取りを述べています。逃亡の詳細は本作の記述に譲りますが、これは田舎の槍術師範役には知りようがありません。
 それから、こんなことが書いてありました。

 出来れば逃げよ、というのが、殺人否定に徹底した斎藤弥九郎の教えであった。自然、斎藤の愛弟子だった桂は、剣で習得したすべてを逃げることに集中した。(P302)

 はぐれメタル(※)かよ。いや、はぐれメタルは一定の確率で攻撃してきますが、頭のいい桂小五郎はそれが命取りになりかねないとわかっているのか、とにかく逃げています。しかも、用心深く。桂を討つのは、はぐれメタルを倒すより難しいと言えます。

※『ドラゴンクエスト』シリーズのモンスター。防御力と素早さが高く、すぐに逃げるのでこれを倒すのは困難。

【参考文献】
司馬遼太郎『幕末』文藝春秋(目次)

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