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司馬遼太郎「桜田門外の変」

あらすじ…薩摩藩士の有村治左衛門が兄雄助や水戸藩の者たちと共に大老井伊直弼を暗殺するべく画策する。

 有村治左衛門は、桜田門外の変の実行犯の中で唯一の薩摩浪士(他は全て水戸浪士)。
 それはさておき、本作の最後の方で作者(司馬遼太郎)はこんなことを述べています。

 この桜田門外の変から幕府の崩壊が始まるのだが、その史的意義を説くのが本篇の目的ではない。ただ、暗殺という政治行為は、史上前進的な結局を生んだことは絶無といっていいが、この変だけは、例外といえる。明治維新を肯定するとすれば、それはこの桜田門外からはじまる。斬られた井伊直弼は、その最も重大な歴史的役割を、斬られたことによって果たした。(P46)

 そもそもこの作品が収録されている『幕末』は暗殺事件の数々を取り扱っているのですが、上記の引用はそれらの暗殺に対する「司馬史観」を述べているようにも感じました。即ち、『幕末』の暗殺は、桜田門の変以外は全て、歴史を前進させるものではない、と。ちなみに本書の「あとがき」にも上記引用部分と同じようなことを述べている箇所があるのですが、重複するので省略。
 ともあれ、桜田門外の変は歴史を前に進めたという肯定的な評価であり、これには井伊の赤鬼(井伊直弼)も草葉の陰で喜んで…いるわけないか。

【参考文献】
司馬遼太郎『幕末』文藝春秋(目次)

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