司馬遼太郎「祇園囃子」
あらすじ…十津川郷士・浦啓輔は京で新選組と数度にわたって戦っていたが、ある夜、新選組に襲われて負傷し、土佐藩邸に駆け込む。そして土佐藩士・山本旗郎の手引きで十津川に逃れ、そこで傷養生をする。暫くすると、山本旗郎から手紙が来て、啓輔は再び京へ上る。
タイトルは「祇園囃子」なのですが、なかなか祇園囃子が出てこない。と思ったら、クライマックスの暗殺の少し前になって、ようやく登場しました。
鉾、山車が各町で組みたてられ、あちこちの辻から、祇園囃子がきこえていた。行きかう人の顔が、夕焼けをあびてほのあかい。(P237)
鉾や山車は祇園会(祇園祭)で使われるものです。なるほど、町は祝祭的雰囲気に包まれつつあるというわけですな。
もっとも、この時の浦啓輔はそれどころでなかったことは言うまでもありません。
【参考文献】
司馬遼太郎『幕末』文藝春秋(目次)
【関連記事】
・京都祇園祭 祇園囃子
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