搭載用魚雷模型の碑(東郷神社)
東京都渋谷区の東郷神社にある、搭載用魚雷模型の碑を解読してみました。尚、この碑のタイトルについてですが、手前の説明板の題に「搭載用 魚雷模型」とあったので、そこからタイトルを付けさせていただきました。
【碑文】
潜水艦勇士に捧ぐ
太平洋戰爭中百二十餘隻の
潜水艦と共に戰歿された一
万餘人の乗員諸君 特殊潜
航艇及び回天決死隊諸君
また諸公試 演練に殉難され
た諸君 諸君の遺骨は海底
深く沈んで之を回収する途
がない しかし それは国難
に赴いた諸君の忠誠が そ
のまま其戰場に在ることを
意味する 民族の急を救う
べく戰つた犠牲の精神は
永えに其処に活きている
残された潜水艦関係の吾等
は個人と法人と併せて幾千
常に諸君の英靈の坐する海
底を見つめている 願わくは
日本国民の全部もありし日
の諸君の雄姿と奮戰激闘の
光景と護国の屍となつた戰
場とを緬想して敬弔の誠を
伸ぶると共に 祖国再興の
心の糧とすることを祈願
して已まない
茲に曽ての戰友潜水艦
建造関係者外有志一同相
計り小碑を東郷神社の
靈域に建立して諸君不滅
の忠魂に捧ぐ
昭和三十三年五月二十五日
【現代語訳】
潜水艦の勇士に捧ぐ
太平洋戦争中、120余隻の潜水艦と共に戦死した1万余人の乗員諸君。特殊潜航艇及び回天決死隊諸君。それから諸々の試験、演習・練習で殉職した諸君。諸君の遺骨は海底深く沈んていて、これを回収する方法がない。しかし、それは国難に赴いた諸君の忠誠が、そのまま戦場にあることを意味する。民族の危急を救うべく戦った犠牲の精神は、永久にそこに活きている。
残された我々潜水艦関係者は、個人と法人とを合わせると幾千にも上る。(我々は)いつも諸君ら英霊がいる海底を見つめている。願うことには、日本国民全員も、昔の諸君の雄姿と奮戦・激闘の光景と、国を護るために死んだ戦場とを遥かに思いやって、敬意をもって弔いの誠意を伸べると共に、(国民が)祖国再興の心の糧とすることを(我々は)祈願せずにはいられない。
ここに、かつての戦友・潜水艦建造関係者・他有志一同が相談して、小碑を東郷神社の境内に建立して、諸君の不滅の忠義の魂に捧げる。
昭和33年(1958年)5月25日
英霊碑の一種。
解読してみたら結構重い内容でした。
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