久の井の碑(和田堀廟所)
東京都杉並区の和田堀廟所にある、久の井の碑を解読してみました。
【碑文】
久の井
此の井は亡久野寛子嬢の十
七回忌に當り母堂久野俊子
氏が捐資して開鑿せるもの
である因って久の井と名づ
ける冀くは此の水が普く人
を利し久野氏の芳志が永く
世に傳はらんことを
昭和三十二年十二月二十七日
多田宗雄誌
青山 石勝刻
【現代語訳】
久の井
この井戸は故・久野寛子嬢の17回忌に当たり、母・久野俊子氏が資金を出して掘らせたものである。よって、久の井と名付ける。願わくば、この(井戸の)水が全ての人に利益をもたらし、久野氏の優れた志が永く世に伝わるように。
昭和32年(1957年)12月27日
多田宗雄記す。
青山 石勝刻む。
久の井の碑は寺務所の裏手の隅にひっそりと立っており、しかも近くに井戸らしきものは見当たりませんでした。おそらくは別の場所にあったのを石碑だけここに移設したものと思われます。井戸がどうなったかは知りません。
井戸水はともかくとして、こうして石碑の解読がなされてブログの記事になっているから誰かしらには読まれている(はず)。だから芳志が伝わっているという方は、一応できていると言えます。
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