蝶三子句碑(泉龍寺)
東京都狛江市の泉龍寺にある、蝶三子句碑を解読してみました。
【碑文】
(表)
むさし野の
いづみの里乃
栗の花
蝶三子
(裏)
句碑に寄せて
蝶三子(青戸公義)は鳥取県に生る 少年
時代より詩情豊かで俳句を生涯の趣味とする
昭和十五年六月鹿島守之助社長を深く尊敬し
鹿島建設株式会社に入社以来五十三年三月迄
三十八年間建築部勤務 この句は昭和二十一
年五月に中支戦線から復員と共に代々木の進
駐軍宿舎建設に従事し厳しい敗戦下にも変ら
ぬ郷土の平和な自然を詩つたもので 晩年迄
多摩川に沿つた狛江を愛しここに静かに眠る
昭和五十九年七月二十三日 妻 タマ
栗の花は仲夏(夏のなかば)の季語。又、狛江市には和泉本町、元和泉、中和泉など和泉の名を持つ地名が残っています。
さて、碑文の俳句は助詞「の」を多用しています。というより、助詞は「の」しか使っておらず、他は全て名詞です。形容詞や動詞は見当たりません。
「の」を多用することで韻律を作ろうとしたのでしょうかねえ。
【令和3年11月18日追記】
泉龍寺の近くにある狛江市立中央図書館には、蝶三子の著書『句分集 堤下抄』(鹿島出版会)が収蔵されています。本書巻末の著者近影を見ると、そこには和服姿の眼鏡をかけた老人が立っていました。
【参考文献】
青戸蝶三子『句分集 堤下抄』鹿島出版会
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