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弔魂碑(愛宕神社)

 東京都港区の愛宕神社にある、弔魂碑を解読してみました。

弔魂碑

【碑文】
(表)
   弔魂碑
昭和二十年八月廟議降伏に決
するや蹶起して内府木戸邸を
襲ふ 轉じて愛宕山に籠り所
在の同志と呼應 天日を既墜
に回さむとする者即ち尊攘義
軍十烈士  しかれども遂に
二十二日午後六時相擁して
聖壽萬歳とともに手榴弾を擲
ち一瞬にして玉砕す 時俄に
黒風暴雨満山を蔽ふ
二十七日払暁同じき所に坐し
て二夫人亦従容後を遂ふ
忠霊芳魂永遠に此處に眠る
遺烈萬古盡くる時なからむ
 天なるや 秋のこだまかと
 こしへに愛宕のやまの雄た
 けびのこゑ

(裏)
   烈士女芳名
飯島與志雄  行年  三十三歳
稲垣弘太郎  行年  三十歳
和栗和英   行年  十九歳
川口善一   行年  三十三歳
谷川仁    行年  三十二歳
絹村浩    行年  十八歳
皆川貞二郎  行年  二十二歳
茂呂宣八   行年  三十二歳
 妻かよ子  行年  二十九歳
関本貞次郎  行年  三十五歳
摺建富士夫  行年  二十九歳
 妻 静子  行年  二十七歳

 昭和二十七年八月二十二日(※以降解読できず)

【現代語訳】
 昭和20年(1945年)8月、日本政府が降伏を決定すると、(彼らは)起ち上がって内大臣・木戸幸一邸を襲った。それから一転して愛宕山に立てこもり、その地の同志と呼応した。落日を回避(=降伏の決定を撤回)しようとする者はつまり尊王攘夷の正義の軍の正しい10人の人たちである。
 しかしついに、22日午後6時、一斉に天皇陛下万歳を唱えて手榴弾を投げ、一瞬のうちに自殺した。その時急に暴風雨が山じゅうを蔽った。
 27日の夜明けに、同じ所に座った2人の夫人が落ち着いて後追い自殺をした。
 (十烈士の)忠義の霊・(二夫人の)美しい魂はここに永遠に眠るものである。前人の遺した功績はいつまでもなくなることのないように。

 愛宕山に響く雄叫びの声は、秋の木霊であろうか

 この石碑の隣に「殉皇十二烈士女之碑」が立っており、こちらはその碑の内容を説明するものとなっています。尚、殉皇十二烈士女之碑は裏側をうまく撮影できなかったので解読を断念。

 次に、この碑に書かれている事件について少々。
 あの時、日本の降伏を受け入れられない人たちがいて、この碑に名前が載っている十二烈士女もそうでした。そんな彼らはクーデターを起こして戦争を継続させようとしたが失敗、愛宕山に立てこもるものの展望は開けず、追い詰められて集団自殺を遂げました。

 ところで、現代語訳に際して私は、「尊攘義軍十烈士」を「尊王攘夷の正義の軍の正しい10人の人たち」としましたが、これはいささか直訳に過ぎたかと思わないでもない。ただ、こう訳出してみせることで、この碑のプロパガンダ色の強さが浮き彫りにできたような気がします。

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