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海軍特年兵之碑(東郷神社)

 東京都渋谷区の東郷神社にある、海軍特年兵之碑を解読してみました。

海軍特年兵之碑

【碑文】
(表)
海軍特年兵之碑

香淳皇后御歌
やすらかに
 ねむれとぞ思ふ
君のため
いのちささげ志
 ますらをのとも
  昭和四十六年五月十六日建立

(裏・上段)
(※「あゝ特年兵」の歌詞を掲載。ここでは省略)

(裏・中段)
   海軍特年兵
 あゝ十四才 大日本帝国海軍史上 最年少の勇
士である 少年兵より更に二才も若く しかも特
例に基ずいたものであつたため 特別年少兵 特
例年令兵の名があり 特年兵と略称された
 昭和十六年 帝国海軍はその基幹となるべき中
堅幹部の養成を目的にこれを創設した
 太平洋戦争の時局下に 純真無垢の児童らが一
途な愛国心に燃えて祖国の急に馳せ参じた その
数は十七年の一期生三千二百名をはじめ 二期生
約一万七千二百名におよんだ 横須賀 呉 佐世
保 舞鶴の四鎮守府に配属されて活躍した 戦場
での健気な勇戦奮闘ぶりは 昭和の白虎隊と評価
された だが反面 幼いだけに犠牲者も多く 五
千余名が 南溟に或は北辺の海に短い生命を散ら
した しかし 特年兵の存在は戦後 歴史から忘
れられていたため 長い間 幻の白虎隊という数
奇な運命をたどつていた このままでは幼くして
散つた還えらぬ友が余りにも可哀想であり その
救国の赤誠と犠牲的精神は 日本国民の心に永遠
に留め 讃えねばならない 英霊の声に呼び覚ま
されたかの如く 二十五回目の終戦記念日を迎え
た四十五年 俄に特年兵戦没者慰霊碑建立運動が
高まつた 戦火は消えて二十六年の長い歳月の後
に 多くの人たちのご協力によつて碑が こゝ東
郷神社の聖域に建立されるに至つた そして幻の
特年兵はようやく蘇つた そのうえ 特年兵たち
が 国の母と崇めた皇后陛下の御歌を碑に賜わり
母と子の対面の象徴として表わしこゝに刻む
 除幕式には 特年兵にもゆかりの深い高松宮両
殿下の御台臨を仰ぐ栄誉に浴した また 全国の
生存者が亡き友の冥福を祈るため それぞれ各県
の石四十七個を持ち寄り 碑の礎に散りばめた
 吾々は 今は還えらぬ幼い戦友の霊を慰め 永
遠に安らぎ鎮まらむことを願うと共に 特年兵を
顕彰し その真心と功績を後世に伝え 祖国繁栄
世界平和を祈願しながら尽力することをこゝに誓

   昭和四十六年五月十六日
         海軍特年兵生存者一同
         建立委員長小塙清春撰文謹書

(裏・下段)
碑銘/揮毫 昭和四十六年五月十六日
元海軍大臣/海軍大将 野村直邦敬書

寄贈
 歌 あゝ特年兵   作詞 山口純
   昭和の白虎隊  作曲 三島秀記
京桜 御影石
    茨城県真壁町    相田寅一
協賛
   読売新聞社社会部   原野弥見
       週刊読売   有山恭弘
              大矢仁美
   「あゝ十四才」 共感者有志
   海上自衛隊 第二術科学校
      職員 教官 学生有志
   真壁町特操会
   フジテレビ 小川宏シヨー
   新国劇映画株式会社
   海上自衛隊東京音楽隊
   ニツポン少年少女合唱団
   吟詠天洲会寺山天洲
   海上自衛隊第二術科学校吟詠部
   元海軍関係者有志
   元海軍特年兵関係者有志
施工 碑石 相田寅一
   基礎 湯本昭二
      淀川三男
建立 元海軍特年兵生存者一同

 特年兵とは何のことはない、少年兵のことじゃないか…と思っていたら、海軍の制度上の少年兵は別にいて、それより更に若いのが特年兵ということらしい。しかし、一般的な概念としての少年兵という意味ならば、この特年兵も少年兵の範疇に入るものと思われます。
 ところで、碑文によると特年兵は「昭和の白虎隊」と評されたとあります。白虎隊は戊辰戦争の折、会津藩の年少者で編成された部隊で、白虎隊の悲劇は夙に有名です。昭和の白虎隊も、経験不足から悲劇を招いたのでしょうかねえ。

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