石神井城址とこの記念碑についての碑(石神井公園)
東京都練馬区の石神井公園にある、石神井城址記念碑の傍に立つ「石神井城址とこの記念碑について」の碑を解読してみました。
【碑文】
茅野あり、今なほ都塵を避け、武蔵野の面影僅かに残す
此の辺り、太古より水清く、沃野につゝまれ、およそ一万年を
数へる中石器時代より人跡を見る。平安末期に至り、桓武天
皇曽孫高望を祖とする秩父一族よりなる豊島、葛西、江戸
氏等によりて開発され、こゝに半農半武の荘園を結ぶ。以来
十数代に亘り豊島氏一族は、紫の花香り高く、月の入るべき
山の端もなしと詠れし此の地に、堅固なる居城を設け、平塚
練馬城等と共に、三宝寺池より涌き出づる石神井川の流れを
遡りつゝ開発し繁栄■極むること三百有余年、豊島勘解由
左衛門尉泰経の時代に至る。当時士族の勢力争い、関東各地に
起り風雲急を告ぐ。
(中略)
昭和四十二年九月十七日建
石神井城址記念碑建設有志
石神井城址保存会
※■は解読できず。
長文につき途中を省略しましたが、その省略した部分を簡単に説明すると、太田道灌が豊島氏を滅ぼし、この地は太田氏のもとで栄えることになった云々とあって、締めくくりに現在に至ってこの石碑を建立する意義を述べています。
それにしても、石器時代から説き起こすとは大きく出たものです。この地を訪れる者に見てほしいのは城址だけではなく、この郷土の長大な歴史を刮目して見よと言わんばかりに感じます。
【関連記事】
石神井城阯史蹟碑(石神井公園)
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