西國三拾三番札所供養塔(浄真寺)
東京都世田谷区の浄真寺(九品仏)にある、西國三拾三番札所供養塔を解読してみました。
【碑文】
(表)
明治十四年
(梵字※) 西國三拾三番札所供養塔 青物講社村々連中
五月佛歓喜日
※ここの梵字は阿字。
(裏)
(※裏面は判読できず)
石碑の裏側は判読できなかったので、表側の文だけを読みました。ここから判断するに、青物講社の人たちが西国三十三所札所を巡礼した記念に、明治14年(1881年)5月にこの供養塔を建てた、ということのようです。
西国三十三所札所は有名なところだと奈良の興福寺や京都の清水寺などがあり、このあたりならお参りしたことのある人も多いかもしれません。しかしマイナーなところになると、山の中にあったりします。決して楽な道ではありますまい。
それはさておき、明治14年(1881年)といえば、明治十四年の政変が起こった年です。この政変は、日本の憲法をどう作るかで政府内で揉めて、大隈重信一派が中央政府から追放された事件です。つまり当時の日本は近代国家になろうともがいていたと言えます。
そんな時代でも庶民は巡礼を続けていたことが、この石碑からうかがえます。
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