佛頂尊勝陀羅尼の碑(称往院)
烏山寺町の称往院にある、佛頂尊勝陀羅尼の碑を解読してみました。ただし、私は梵字は読めないので、その部分は読み飛ばします。
【碑文】
(表)
佛頂尊勝陀羅尼
(長文の梵字)
(裏)
一天太平 百穀豊登
報謝四恩 利滲六道
(短文の梵字)
元治改元甲子季六月二十七日立
佛頂尊勝陀羅尼は尊勝仏頂(如来の肉髻)に捧げる陀羅尼(長文の呪文)で、表の「長文の梵字」がそれに当たるものと思われます。
それから、裏面の漢文を現代語訳すると、「世界平和、全ての穀物は豊に実る。四恩(人がこの世に受ける四つの恩)に感謝してこれに報い、御利益は六道(衆生が輪廻転生する六種の世界)に滲む。」となるでしょうか。
いや、あるいはこうかもしれません。「世界が平和になれば、全ての穀物は豊に実る。四恩に感謝してこれに報いれば、その御利益は六道に滲む。」
ところで、この碑が立てられた元治元年(1864年)は幕末で、この年には池田屋事件や蛤御門の変(禁門の変)が起こっています。
何とも物騒な年で、「一天太平」とは程遠い。
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