表忠碑(泉岳寺)
『忠臣蔵』で有名な泉岳寺(東京都港区)の境内に立つ表忠碑を解読してみました。ただしこの石碑は表面の下部分が剥落しており、全文を読むことはできませんでした。
【碑文】
表忠碑
赤穂四十七臣之墓傾●(※)蕪穢大非所…
安英魂而振起士気之意也今除其蕪…
理其傾●(※)以表忠義之不可一日慶…
使忠臣孝子知益励乱臣賊子知少…
若夫大節偉烈所以感天地泣鬼神…
必待後生之讃揚故不復贅也時距…
之歳百有餘故碑漫滅不可読新…
石以録其事 銘曰維忠維義既…
今脩其墳以興後良
慶應戊辰孟春 安藝山田浩…
土井通…
石工堀…
※阜偏(こざとへん)に貴。タイと訓む。倒れるの意。
先述した通り全文を読めなかったので正確な現代語訳は諦めますが、残存する文章から判断すると、「(泉岳寺の)四十七士の墓が長年の経年劣化で傾いたり倒れたり荒れていたし、碑文も読みにくくなっていたので修復しました」というもののようです。
そういえばこの表忠碑自体も年月の経過で読めなくなっている部分があるから、修復の必要があるでしょうな。
ところで、碑文の最後の方に「慶應戊辰孟春」とあります。「慶應戊辰」は西暦1868年、「孟春」は初春の意。明治維新の年に修復したのか…。
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