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敷石の石碑(大國魂神社)

 大國魂神社(東京都府中市)の境内にある、敷石の石碑を解読してみました。

敷石の石碑(大國魂神社)

【碑文】
敷石
祠前凡百五間余石数凡
一千六十余
寛政九年丁巳発願今茲
至文化十五年戊寅其功
全成
    発願 氏子中

【読み下し文】
敷石
祠の前凡(およ)そ百五間余り、石の数凡そ
一千六十余り。
寛政九年丁巳に発願し、今茲(こんじ)より
文化十五年戊寅に至りその功
全て成る。
         発願 氏子中

【拙訳】
敷石
祠の前およそ105間あまり(≒190m)、石の数およそ1060あまり。
寛政9年丁巳(1797年)に発願し、この年より文化15年戊寅(1818年)にいたり、その事業が完成した。
         発願 氏子中

 まずは文字の解読について少々。
 碑文中の「凡」という字は「およそ」と「すべて」の二通りの読みが存在します。どちらの読みが適当かは、前後の文脈や、どちらがしっくり来るかで判断すべきなのでしょうが、今回の場合は「およそ」でも「すべて」でも意味が通じるような気がします。私は最初にこの碑文を読んだ時に、この字を自然に「およそ」と読んだので、こちらを採用させていただきました。
 それから、「今茲」はこれまた「こんじ」と「きんじ」の二つの読み方が存在します。これはどちらでもよろしい。
 さて、碑文を読んだ感想ですが、短い漢文で情報量も多いとは言えません。ただ、ここからわかるのは、江戸時代後期、神社の参道に石畳を敷設するのに21年もかかったということです。結構かかるんですね。

【関連記事】
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