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太宰治「きりぎりす」

 妻が家出をする際に、画家の夫に宛てた置き手紙を書いた、という形式の作品。
 こちらの文庫本(ちくま文庫)では18ページと、小説としては短い部類なのですが、一通の置き手紙としては長すぎる。とはいえ、夫婦間でなら説明を省略しても通じる諸事情であっても、赤の他人の第三者(即ち読者)には一応わかる程度には説明せねばならないので、書くことが実際の置き手紙よりも増えてしまうのはやむをえない。
 とはいえ、それを差し引いても長すぎるのだけれども、書きたいことがいっぱいあったんでしょうね。
 それから、本作は改行がやけに少ない。そこは改行しておけよ、と思うところでも改行していません。おかげで読みにくいったらありゃしない。
 もちろんこれは作者(太宰治)がわざとやったことで、語り手(妻)は適切な改行ができないレベルの文章力の持ち主だということを示しているようです。
 尚、夫と妻、どちらが正しくてどちらが間違っているかの判断をここではしないことにします。それには夫の言い分も聞いておく必要があると思ったからです。

【参考文献】
太宰治『太宰治全集4』筑摩書房

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