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落合信彦『モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』集英社(1)

 イスラエルの諜報機関モサドの関係者にインタビューしたもの。
 最初に登場するのはモサドの元長官で「モサドの生みの親」(P10)といわれるイサー(イサヤ)・ハレル。よくこんな人物にインタビューできたものだ。

 ところで、イサー・ハレルは本書の中でこんなことを述べています。

 しかし、KGBの活動は俗に考えられているほど成功してはいない。時には非能率的なこともするし、彼ら自身の偏見のとりことなることもしばしばある。
 たとえばの話だが、イスラエル国内にいるKGBエージェントがある日新聞で新しい道路がどこどこに作られるといったような記事を読んだとする。彼はまず自分でその場所へ行ってそれを確かめ事実と確認してからモスクワのセンター―KGB本部―に報告する。時間と労力の無駄遣いの見本のようなものだが、彼らは新聞で読んだだけでは決して信じない。
 なぜかわかるかね?
 それはソ連国内の新聞は事実を書かないからだ。それを彼らはよく知っている。だからここイスラエルでも新聞の言うことは信用出来ないと思い込んでしまっている。すべてをソ連流に解釈してしまうのだ。(P18-19)

 メディアリテラシーが発達した人間ならば、新聞に書いてあることを全て鵜呑みにしないのが常識ですが、さすがに何でもかんでも疑うのはやりすぎで、わざわざ自分で確認しなくてもいい情報だってあります。
 と、ここでふと気付いたことが2つ。
 1つは、ここでKGBのスパイが求めているのが、新聞に発表された公開情報(オープンソース)であるということです。そもそもスパイは公開情報を収集することもありますが、やはり機密情報を得ようとします。下手にそんな機密情報に触れるのはまずいから、ハレルは明らかに言っても差し支えないネタを出してきた、と見ることができるのです。
 それからもう一つは、彼は敵スパイの動向を逐一把握していたらしい、ということです。どこへ行って何をしているのか、のみならず、いつ本部に報告しているのかまで、こっちはお見通しなんだぞと言ってるようなものですからね。

 さて、記事も長くなってきたので続きは次回。

【参考文献】
落合信彦『モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』集英社

【目次】
『モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』(1)
『モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』(2)
『モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』(3)

【スパイ映画】
スパイ・ハード
007 スカイフォール
007 スペクター
デュプリシティ スパイは、スパイに嘘をつく
陸軍中野学校
陸軍中野学校 雲一号指令

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