池井戸潤「金庫室の死体」
あらすじ…破綻した城南相和銀行の支店の金庫室で、老婆のバラバラ死体が発見される。小松刑事は相棒の花山と共に捜査に乗り出す。
【主要登場人物一覧】
小松与一―――刑事。
花山寛――――刑事。
安永登志子――殺害された老婆。
加木屋誠吾――城南相和銀行の残務処理担当。
高橋義男―――城南相和銀行長原支店の元支店長。
竹村肇――――城南相和銀行の元行員。安永を担当。
竹村克江―――竹村肇の母。
近藤一樹―――城南相和銀行の元融資課長。
井口充――――城南相和銀行の元行員。
相羽昭三―――倒産した会社の元社長。
本書巻末の「初出誌」(P321)によると、「金庫室の死体」の初出は「小説現代」一九九九年十月号。だとすると、この物語はバブル崩壊後に金融機関の破綻が相次いだ世相が背景にあるということですか。そういえば長銀とか住専とかありましたっけ。
尚、事件の舞台となった城南相和銀行は架空の存在ですが、名前の元ネタと思しき金融機関は実在します。即ち城南信用金庫と東京相和銀行で、城南信用金庫は現在も存続し、東京相和銀行は破綻してなくなっていることを付け加えておきます。
ところで、事件現場は「大田区上池台一丁目」(P9)とありました。そこで手許の地図で調べてみると、バッチリ実在することが判明。洗足池から数百メートル東に行ったところにありました。最寄駅は東急池上線の長原駅です。
【参考文献】
池井戸潤『銀行狐』講談社
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