サタデー・ナイト・ライブ:マイケル・コーエン盗聴(2018年、アメリカ)
この動画は、YouTubeで観ました。
https://youtu.be/K1K8s-tQGqY
出演:アレック・ボールドウィン、ケイト・マッキノン、ベン・スティラー、セシリー・ストロング、スカーレット・ヨハンソン、ジミー・ファロン、ストーミー・ダニエルズ
原題:Michael Cohen Wiretap Cold Open - SNL
備考:コメディ
あらすじ…切羽詰ったマイケル・コーエンが各方面に電話をかける。しかしそれらはFBIによってバッチリ盗聴されていた。
ストーミー・ダニエルズが本人役で出演。よく出てくれたものだ。あ、でも、そもそも彼女はポルノ女優だから、出演には慣れているか。
さて、事情を知らない人のために簡単に解説しておきます。ドナルド・トランプは2016年アメリカ大統領選挙への出馬に際して、かつて自分と不倫関係にあったポルノ女優のストーミー・ダニエルズに、不倫の口止め料として13万ドルを支払いました(※選挙資金管理法違反)。そしてその口止めを仲介したのが当時トランプの個人弁護士だったマイケル・コーエンです。トランプが大統領に就任後、ロバート・モラー特別検察官がロシアゲート疑惑を捜査し、その過程でこれらのスキャンダルが明らかになり、コーエンが追い詰められて行きました。当然のことながらモラーが本当に狙っているのはコーエンなどではなく、ボスのトランプです。
それでは拙訳をどうぞ。
【拙訳】
この話は本当に起こったことに基いています。
トランプ「こちらドナルド・トランプ。誰だ?」
コーエン「マイケル・コーエンです。神よ、あなたが恋しいです」
トランプ「おいおい、どうしたんだ、アミーゴ。もうムショに入ったのか?」
コーエン「ムショに入ってません」
トランプ「ああ、ええと、2週間くれ」
コーエン「トランプさん、私たちは大きな問題を抱えています。彼らは私たちについて徹頭徹尾知りつくしているんじゃないでしょうか」
トランプ「すまん、私はスペイン語は話せないんだ。待て、安全な回線を使っているか?」
コーエン「絶対に。電話番号の前にスター86(※1)を入力しました。完全に追跡不可能です。トランプさん、私はどうしたらいいかわかりません! あなたはストーミー・ダニエルズへの支払いについての話を変え続けていらっしゃる」
トランプ「いいか、ルディ・ジュリアーニに電話してみるんだ。彼なら解決してくれる。彼は『いとこのビニー』(※2)以来、最も鋭い法律の精神を持っている」
コーエン「OK、ですが念の為に私の携帯電話で掛け直します」
トランプ「まて、携帯電話を持っているのか? それはよくない」
ボーンスタイン「やあ、Dr.ハロルド・ボーンスタイン(※3)だ。患者の病歴を知りたいのかね?」
コーエン「ああ、すいません。ドナルド・トランプにかけようとしたのですが、トランプの医者にかけてしまいました」
ボーンスタイン「マイケル・コーエンかね? マイケル、電話してくれてうれしいよ。何者かがオフィスに押し入って、ファイルを盗んだんだ。君ならこう言うかもしれない、私は強姦された、と!」
コーエン「そうは言えないと思います」
ボーンスタイン「もう遅い、強姦された!」
コーエン「わかりました。その話は後にしませんか?」
ボーンスタイン「いや。私は―私はこの後忙しいんだ。冗談だよ。私は個人的もしくは専門的に関与することは何もない。だがもし薬が欲しいっていうんなら、どんな薬でもやろう」
コーエン「わかりました。掛け直します、ハロルド。さようなら」
ボーンスタイン「OK、自分のオフィスに座っているよ。ここに住んでいるのだから。バーイ!」
ジュリアーニ「もしもし」
コーエン「ああ、ルディ? あなたですか?」
ジュリアーニ「そうだ。そうだとも。私だ。ルディ、ルディ・ジュリアーニ。トランプの弁護士にして最悪の悪夢」
コーエン「あの、ルディ、自由に話せますか? 一人ですか?」
ジュリアーニ「ああ、ああ、かなり一人だ。CM中なんだ。だろ?」
キャスター「いいえ」
ジュリアーニ「OK、ああ、話すには都合がいい」
コーエン「わかりました、トランプさんにつなぎます。…よし、皆さんいらっしゃいますか?」
ジュリアーニ&トランプ&FBI「はい」
コーエン「結構。二人とも、片方の嘘を決めてそれに固執してくれませんか? なぜなら我々の話はあらゆるところに広まっているのですから」
トランプ「ちょっと待て。仕事の電話だ」
サンダース(※4)「大統領、私はすっかり信用をなくしました。ストーミー・ダニエルズとの情事について私に嘘をついたのですか?」
トランプ「ああ、そうかもね」
サンダース「OK、もう結構。見解が一致しているならもう結構です。月曜日に会いましょう」
トランプ「OK、戻ったぞ」
ジュリアーニ「ねえ、2人とも、急ごうじゃないか。私は今日、25本以上のトークショーに出演する予定なんだ。アドベントカレンダー(※5)みたいにね。各ショーで1つずつ新しい犯罪を明らかにするんだ」
コーエン「あ、ちょっと、別の電話が入りました! 待ってて下さい」
メラニア「もしもし、マイケル? メラニアよ」
コーエン「ああ、メラニア! ちょうどドナルドと話してたところなんですよ」
メラニア「ああ、うん、聞いてよ、私の友人のための完全に架空の質問があるの。いいかしら? もし自分の夫が犯罪で告訴されたら、妻は夫に逆らって証言するかしら?」
コーエン「いいえ」
メラニア「でもできるでしょ? もし彼女がそうしたかったら」
コーエン「できると思いますよ」
メラニア「ああ、私の友達も喜ぶわ。ありがとう、マイケル」
コーエン「待て、どっちがトランプさんの電話だ? もしもし?」
オマローサ(※6)「ええ、こちらはオマローサよ。ふざけんじゃないわよ!」
コーエン「もしもし?」
ペンス「やあ、見知らぬ人よ。君の名は?」
コーエン「マイク・ペンス?」
ペンス「誰だ? 質問なしというのが公式見解だと言われたぞ」
コーエン「あー掛け直します」
ペンス「え…」
コーエン「もしもし?」
イヴァンカ「はい、こちらイヴァンカとジャレッドです」
クシュナー「や、や、やあ、コンニチワ!」
イヴァンカ「マイケル、ジュリアーニが全国放送でジャレッドを『使い捨て』と呼んだの聞いた? ジャレッドは激怒してる」
クシュナー「ああ、うん、一体何なの!? ボクおかしくなっちゃう! あんたもボクに会いたがらない。自分の身は自分で守れる。ボクの弁護なんてしようとするな! OK?」
コーエン「いいですか、イヴァンカ、あなたの父親はあなたを守るためなら何でもしようとするでしょう。しかしもし彼が必要に迫られたら、直ちにジャレッドを犠牲にしますよ」
クシュナー「何て言ってるの?」
イヴァンカ「あなたは大丈夫だって」
コーエン「また後で! …トランプさん?」
トランプ「どこ行ってたんだ、マイケル? もう時間がないんだぞ。新しい最高戦略責任者カニエ・ウェスト(※7)との会合が控えているんだ」
コーエン「それで、私にどうしてほしいんですか?」
トランプ「ストーミー・ダニエルスに電話して、今回限りで解決しろ。この電話はつないだままにしておけ。黙って聴いているから」
ダニエルズ「もしもし?」
コーエン「ストーミー? こちらマイケル・コーエンです。お一人ですか?」
ダニエルズ「はい」
トランプ「何着てるの?」
ダニエルズ「何ですって?」
トランプ「OK、マイケル。ここは私が代わるよ」
コーエン「OK、ですが、あなたの弁護士として、高度な助言を…」
トランプ「それで、どうだい、お嬢ちゃん?」
ダニエルズ「もしもし、ドナルドね」
トランプ「いいかい、ストーミー、この件で大きな取引をやろうとするのをやめるんだ。みんなこれがただの演技にすぎないって知ってるぞ」
ダニエルズ「私、大人の映画で働いてるの。私たちは演技ではあまり知られていないわ」
トランプ「教えてくれ、すっかり解決するには何が必要なんだ?」
ダニエルズ「辞任」
トランプ「ああ、そうだ。大統領になることはポルノをやるようなものだ。一度それをやったら、他のことをするのは難しい。更に私の支持率はついに上がった。こうして話していると私の竿も上がって…ああ、いいか、俺たちはいつもヤバい。私は南北朝鮮の問題を解決したんだ。どうして俺たちの問題を解決できない?」
ダニエルズ「ごめんなさい、ドナルド。もう遅すぎるわ。あなたが気候変動を信じていないって知ってるけど、でも嵐(※8)は来ているの」
トランプ「恐怖とエロを同時に感じたことはなかった」
ダニエルズ&トランプ「ニューヨークから中継だ、サタデー・ナイト!」
※1.義未詳。
※2.アメリカのコメディ映画。
※3.トランプの健康診断書を作成した医師。
※4.サラ・ハッカビー・サンダース。ホワイトハウス報道官。
※5.クリスマスまでの期間、毎日一つずつ窓を開けて行くカレンダー。
※6.オマローサ・マニゴールト・ニューマン。トランプの元側近で、解雇時の録音を公開した。
※7.トランプ支持を表明したラッパー。2018年10月11日にトランプと会談したのだが、そこでカニエは意味不明の発言を繰り返した。
※8.自分の名前(Stormy)とかけている。
注釈からメラニア夫人やペンス副大統領などの説明は省きました。さすがにそこまで書かなくていいと思ったからです。
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