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苫米地英人『カジノは日本を救うのか?』サイゾー

 本書は第二章で「日本にカジノを作るべき理由」(P49-84)と題してカジノ推進論を、そして第三章で「日本にカジノを作るべきでない理由」(P85-157)と題してカジノ反対論を述べています。要は両論併記ですが、ページ数では反対論の方が厚い。
 推進する理由より反対する理由の方が多いということか。

 それはさておき、本書の中に、電通に関するこんな記述がありました。

 天下の電通ですから、カジノ関連で稼ぐ手段はあれこれあるのでしょうが、広告という点で考える限り、最も儲かりそうなのはカジノのイメージ広告です。
 当然ながら、カジノには「博打」という負のイメージがあります。
 それを払拭するために、「豪華」で「煌びやか」で「クリーン」なイメージを、一般の人たちに植え付け、また、観光事業の立役者であるかのようなイメージを広めるための広告には、かなりの需要があるはずです。
 とにかく一般の人たちの負のイメージを払拭するようなプロパガンダを発信し続ける必要が出てくるので、そこから収益を得ようという目論見があるのです。
(P103)

 プロパガンダムービーを色々と観てきた私にとっては、実に興味深い。
 カジノ開業の暁には、所管官庁の外郭団体や運営会社などから様々な形のプロパガンダ作品が出ることでしょう。TVのCM、パンフレット、ガイドブック、看板、販促キャンペーン、…。
 さすがに全部をチェックすることはできませんが、映像作品ならば視聴してみたいものです。YouTubeチャンネルで無料配信してくれればありがたい。もちろん、その時は一人の視聴者として、評価するところは評価するだろうし、批判するところは批判する所存です。
 ちなみにこういったプロパガンダ作品は、当然のことながら作るには金がかかるし、電通だってマージンを取ります。ではその費用はどこから出るのかというと、とどのつまりはカジノの収益、即ち客がカジノでスッた金でしょうな。

【参考文献】
苫米地英人『カジノは日本を救うのか?』サイゾー

【関連記事】
竹腰将弘・小松公生『カジノ狂想曲 日本に賭博場はいらない』新日本出版社

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