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大竹慎一『ウォール街からの警告 トランプ大恐慌』李白社

 巻末の奥付によると本書は2017年5月31日第1刷発行。で、本書ではこう述べています。

 端的に言えば、アメリカはこの秋、株の暴落に晒される。(P3)

 そしてトランプ大恐慌へ。
 尚、私が本書を読んだ平成30年(2018年)5月時点で株の暴落及びトランプ大恐慌は起こっていません。つまり、この本の経済予想は外れています。
 しかし、だからと言って本書を投げ捨てるのは早計ですぞ。著者(大竹慎一)はニューヨークのファンドマネージャーですので、例えばウォール街の雰囲気を知るには有用かもしれません。
 というわけで、少し読み進めてみるとこんな記述が。

 グーグルなど自力で動いてグローバルでいくらでも儲けられる企業は別格として、やはり1%の上層の連中にしても、トランプという勝ち馬に乗って、お墨付きビジネスになびくほうが楽に決まっている。トランプに反対する方向に動くのはほんの一部でしかない。(P19-20)

 「トランプという勝ち馬に乗って」で私が想起したのは、クリス・クリスティとポール・ライアンです。彼らは政界の人間ですが、財界にもそういう手合いがいたっておかしくない。
 などと思っていたら、製薬大手ノバルティス社と通信大手AT&T社が、当時トランプの個人弁護士だったマイケル・コーエンに多額の金を払っていたことがロバート・モラー特別検察官の捜査によって明らかになりました。なるほど、こういう勝ち馬の乗り方もあるんですね(1%の連中にしかできないやり方だ!)。

【参考文献】
大竹慎一『ウォール街からの警告 トランプ大恐慌』李白社

【関連記事】
ドナルド・トランプ(目次)

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