町山智浩『実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017』文藝春秋
週刊文春連載のコラムをまとめたもの。
表紙の巨大トランプロボットの頭に搭乗してこれを操縦しているのが、スティーブン・バノン。彼は影の大統領とも呼ばれていましたっけ。
「暗黒はね、いいもんだよ」
ハリウッド・レポーター紙(11月18日付)の取材にバノンはこう答えている。「ディック・チェイニー、ダース・ベイダー……暗黒は力だ」(P279)
日本だったら中二病をこじらせているイタい人扱いされそうですが、こんなのがアメリカ大統領のブレーンを務めていたわけですな。もっとも、バノンは一年ももたずに顧問をクビになりましたが。
次に、トランプの経済政策についても少し触れておきます。
トランプがいくら輸入品を規制しても、ラストベルトの工業地帯は復活しないだろう。工業そのもののオートメーション化が進んで、昔ほど人手を必要としなくなったからだ。(P263)
著者(町山智浩)はこのように見通しを語っていますが、それでも少しは雇用が増える。どんなにオートメーション化が進んでもこれを操作する人員は必要だし、稼働している工場には清掃員や警備員などが必要になるからです。
するとトランプ大統領はこれを大袈裟にアピールし、「俺の手柄だ!」と自慢。彼の支持者たちはそれを「真実」(いわゆるポスト真実)として信じるし、これに対して誰かが数字を挙げて反論したとしても「フェイクニュース」として排撃される…。
そんな光景が目に浮かぶようです。
それから、私は今回本書を読んで、"Heil, Trump!"(P200)や"Gays for Trump"(P264)といったトランプネタを新たに採集することができました。今後の話のネタに活かしていきたいと思います。
【参考文献】
町山智浩『実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017』文藝春秋
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