ひそひそ星(2016年、日本)
監督:園子音
出演:神楽坂恵、遠藤賢司、池田勇斗、森康子
備考:SF、トロント国際映画祭最優秀アジア映画賞
あらすじ…アンドロイドの鈴木洋子は、長い時間をかけて宇宙を航行し、滅びゆく人類に荷物を届けていた。
冒頭のシーンでは、お茶を淹れるのにいったい何日かかるんだよと思ったら、そこは宇宙船の中でした。どうやら船内の時間の流れは、我々の住む世界とは異なっているようです。
それから、この映画は福島県の廃墟と化した街をロケ地とし、それをSFの舞台にしているのも印象的です。そもそもロケ地は東日本大震災及び福島原発事故によって廃墟になっており、滅びゆく人類が住む場所としてああいうところを登場させるというのは、何やら考えさせられますな。
最後に、この映画の「後味」について。
ストーリーだけを追いかけているのなら、この作品は前衛的で「人類には早すぎる」と思われるかもしれません。しかし、この映画を観て「人間って何だ?」と考えるのだとしたら…? 言い換えるならば、この映画で描こうとしたのは「人間とは何か?」という哲学的な問いだとしたら…?
観終わった後、私は静かな余韻にひたりながら思索にふけることができました。その点では、私にとっては味わいのある映画です。
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