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小林多喜二「母たち」

あらすじ…共産主義の活動家たちが次々に逮捕される。そんな中、逮捕された活動家の母たちは…。

 収監中の作者に母親が外の様子を手紙で語るという形式で、活動家の母たちを中心に描いたもの。
 それから、最後は裁判のシーンで、これがこの短篇作品のクライマックスと言えます。しかしそこでは一部伏せ字となっています。一例としてちょっと引用してみます。

 そっちから派遣されてきたオルグの、懲役五年を求刑されていた黒田という人は、立ち上がって、「裁判長がそのような問いを発すること自体が、われわれ*****を**するものである。******というものは後で考えていて間違っていたから**するというようなものではないのだ。それは**されている労働者農民が、その**の**から***を**するための***なものなのだ。われわれは****もこの**を***ものではないことを全われわれの同志を代表していっておく。」と叫んだ。(P177)

 察するに、伏せ字部分は共産主義を喧伝する文言で、これが当時の検閲に引っかかったのでしょう。
 共産主義に詳しい人ならば伏せ字にどんな言葉があったのか想像がつくかもしれませんが、あいにく私はそうじゃない。ただ、上記引用文中の最初の伏せ字は「共産主義者」、次は「侮辱」、その次は「共産主義思想」、そして「改心」とすれば意味が通るとは思いました。

裁判長がそのような問いを発すること自体が、われわれ共産主義者を侮辱するものである。共産主義思想というものは後で考えていて間違っていたから改心するというようなものではないのだ。

 とまあ、こんなところです。合っているかどうかは不明。

【参考文献】
紅野敏郎・紅野謙介・千葉俊二・宗像和重・山田俊治・編『日本近代短篇小説選 昭和篇I』岩波書店

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