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遠藤周作「黄色い人」

あらすじ…第二世界大戦中の日本。医大生の千葉は結核を患い、故郷の仁川(にがわ)に帰省する。

【主要登場人物一覧】
千葉ミノル……医大生。
糸子…………千葉の従妹。
ブロウ…………フランス人神父。
デュラン………元司祭。
キミコ…………デュランの妻。

 この作品は千葉がブロウ神父に宛てた手紙と、デュランの日記を交互に出すことで話が進むのですが、それにしてもお先真っ暗という感じが充満しています。まず主人公の千葉からして病気で先は長くないし、もう一人の主人公ともいうべきデュランは自殺願望があり、最後は…。又、後世に生きる我々は、物語の舞台となった大日本帝国がその後どうなったのかを知っています。
 更に暗い話をするならば、千葉の手紙やデュランの日記がブロウ神父に届くかどうかもわからない。何しろ、この時点でブロウは逮捕・拘引されているのですから。
 そんな暗い状況の中で、千葉もデュランも、白人(白い人)と黄色人種(黄色い人)について考え続けていることが手紙と日記からうかがえます。インテリの性(さが)ってやつですかねえ。

【参考文献】
遠藤周作『白い人・黄色い人』講談社

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