松本清張「秀頼走路」
あらすじ…大坂落城時に落ちのびた浪人の山上順助は、ひょんなことから桐の紋のある小袖と短刀を手に入れる。
この後、山上順助は入手した(正確に言えば強奪した)アイテムを使って豊臣秀頼を騙ってゆくのですが、そもそもこの人物はどうしようもないダメ人間として描かれています。酒好き女好きだけならまだしも、戦意はなくて「彼は最後まで持ち場からの脱走を考えていた」(P411)という有様。又、ここには一々書きませんが、逃走時にも色々と悪行を働きます。
もちろん本作は豊臣秀頼薩摩逃亡説を材に採ったフィクションですが、大坂城内にはこういった輩も来ていたことは想像に難くない。真田幸村や後藤又兵衛などのような「英雄」だけが来ていたわけではない、ということですな。
【参考文献】
司馬遼太郎 松本清張ほか『決戦! 大坂の陣』実業之日本社
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