火坂雅志「老将」
あらすじ…尾羽打ち枯らした老将・和久宗是(わくそうぜ)が奥州の伊達政宗のもとへ身を寄せる。政宗は宗是を二千石の高禄で召し抱え、小姓の桑折(さおり)小十郎に彼の世話を命じる。小十郎は不満だったが…。
小十郎は宗是のことを全く知らなかったのですが、実は凄い人物だということが途中で明らかにされます。小十郎は物語開始時点では元服前の少年であり、和久宗是というマイナー武将を知らなくてもやむをえまい。
いや、寧ろこれだけ若い(したがってそれだけ無知な)人物の視点から描くことで、宗是の凄さを浮かび上がらせる効果があるのかもしれません。
【参考文献】
司馬遼太郎 松本清張ほか『決戦! 大坂の陣』実業之日本社
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