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眠狂四郎勝負(1964年、日本)

監督:三隅研次
出演:市川雷蔵、藤村志保、高田美和、久保菜保子、加藤嘉、須賀不二男
原作:柴田錬三郎
備考:時代劇

あらすじ…眠狂四郎はひょんなことから知り合った老人が勘定奉行・朝比奈伊織で、しかも命を狙われていると知って彼の護衛を(勝手に)するようになる。一方、伊織に高額の化粧料(小遣い)を廃止されて激怒した高姫と、その用人の白鳥主膳は刺客を集めていた。

「眠狂四郎勝負」人物関係図

 眠狂四郎と道場破りとの対決で狂四郎は不敵な笑みを漏らします。恥ずかしながら私は初見では見落としてしまい、道場破りの指摘を聞いて見直し、ようやく気付いた次第。それくらい小さなものでした。
 ちなみにこの笑みは、クライマックスでの海老名良範との対決でも見せています(こちらも二度見した時に気付いた)。お見逃しなく!

 それから、高姫の足の間から槍が突き出る、というのは性交のメタファー(暗喩)ですな。つまりはこの時点で高姫は狂四郎に象徴的な意味で犯されたということなのでしょう。
 又、狂四郎が采女(藤村志保)の腕をねじり上げた時の采女が実にエロい。足先を伸ばし、上体をのけぞらせてあえいでいます。このシーンも性的な色彩が強い。

 最後に、采女の部屋にあった掛軸について。
 掛軸には鐘とそれにからみつく赤い龍のようなものが描かれていますが、あれは道成寺縁起の清姫です。僧・安珍に恋をした清姫は逃げる安珍を追いかけ、とうとう大蛇になり、鐘の中に隠れた安珍を焼き殺してしまいます。あの絵はまさにその場面を描いたもので、女性の男性に対する強い想い(それはもう、愛する男を殺すほど強烈に!)を表現しています。
 そもそも采女は囚われの夫を救出するために立ち働いており、してみると采女はこの掛軸を掲げることで夫への強い想いを表わしているのでしょう。

【道成寺縁起関連記事】
市原悦子のむかし語り:「今昔物語」“女の執念が凝って蛇となる話”
謡曲「道成寺」

【関連記事】
市川雷蔵(目次)

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