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三島由紀夫「卒塔婆小町」

あらすじ…夜の公園でタバコの吸い殻を拾っている老婆のところへ、若い詩人が近付いてくる。老婆は詩人に、昔自分が鹿鳴館の花形だったという話をする。

 鹿鳴館の華やかなりしパーティーの光景は、死にゆく詩人が見た幻想(マッチ売りの少女のような!)だったのだと解釈できます。あるいは、老婆は実は邪悪な魔女で、哀れな詩人に魔法をかけて眩惑し、死に至らしめたとも解釈できます。まあ、近代合理的な人ならば後者よりも前者の解釈の方が説得力を持つでしょうな。
 もしも前者の解釈を採るならば、謡曲「卒塔婆小町」の老婆が深草少将の亡霊に取り憑かれて狂っていたのに対し、こちらの作品では狂っていたのは詩人の方だということになります。

【参考文献】
三島由紀夫『近代能楽集』新潮社

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