吉川英治「無宿人国記」
あらすじ…悪行を重ねていた清水一角は、上杉家の家老・千坂兵部の計らいで吉良上野介の付き人になるが…。
忠臣蔵外伝。
清水一角、というよりも現代の我々には清水一学として知られる人物は、吉良側で奮戦した人物とされています。映画だと庭園の橋の上で戦っているシーンがあったりしますな。
それはさておき、本作では清水一角(一学)は悪人として描かれています。詳細は本書の記述に譲りますが、彼は自堕落な生活を送るのみならず、他人をも堕落させています。
それでも彼は千坂兵部との約束を守って吉良上野介の付き人になって赤穂浪士の討ち入りを迎えるあたりは、忠臣蔵のストーリーを逸脱できない存在だということか。
【参考文献】
『吉川英治歴史時代文庫75 治郎吉格子 名作短編集(一)』講談社
« アウトラスト2実写版(2017年、アメリカ) | トップページ | 少年2人が人質(2013年、アメリカ) »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(6)ボズワースの戦い(2024.06.06)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(5)第二の求婚(2024.06.05)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(4)処刑と暗殺(2024.06.04)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(3)アン・ネヴィルへの求婚(2024.06.03)
- 福田恒存訳『リチャード三世』新潮社(2)クラレンス公ジョージ(2024.06.02)
コメント