吉川英治「雲霧閻魔帳」
あらすじ…盗賊・雲霧仁左衛門は捕えられて処刑を待つ身となる。だが、彼には気がかりがあった。それは、かつて盗みに入った先でレイプした女と、その女との間に産まれた子供の存在だった。
物語の冒頭、五人の男が集まって兄弟分の盃を交わします。その中に本作の主人公(雲霧仁左衛門)もいて、ここから五人の活躍が描かれるのかと思いきや、次の場面では全員逮捕されていて、しかも雲霧以外は何の見せ場もなく消えて行きます。あの四人の存在意義って一体…。
それから、物語の中盤で仁左衛門はいきなり釈放されます。これについて彼は、「なぜか、まるで見当がつかない」(P420)とありますが、私はピンと来ました。泳がせているな、と。
【参考文献】
『吉川英治歴史時代文庫75 治郎吉格子 名作短編集(一)』講談社
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