惑星ソラリス(1972年、ソ連)
監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:ナタリア・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス
原作:スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』
備考:SF
あらすじ…惑星ソラリスを調査していた宇宙ステーション「プロメテウス」からの通信が途絶する。そこで心理学者のクリスが調査のために派遣される。
日本の首都高速が出てきた時は驚きました。正確には首都高速4号線で、DVDの一時停止を活用して映像内の看板をチェックしたところ、赤坂トンネル(0:33:14)や飯倉トンネル(0:36:45)などが確認できました。前半は上り、後半は下りの模様。
そもそもこのシーンはアンリ・バートンが車を運転しながら電話でニックと会話しているところです。この点から愚考するに、ニックらのいる田舎との対比でおそろしく都会的な風景を持ち出し、しかも当時としてはあれがSF的な光景に見えたのでしょう。
次に、宇宙ステーションの名前について。惑星ソラリスを調査している宇宙ステーションの名前は「プロメテウス」であり、これは示唆に富んでいるなと思い当たりました。
ギリシア神話においてプロメテウスは人間を創り出した神です。一方、プロメテウス号の中では人間が創り出されている! 又、プロメテウスは人間に文字や火をもたらすなどの文化神としての役割を果たしており、プロメテウス号がソラリスに留まり続けるならば人間にとって新しい文化がもたらされるかもしれません。
それから、プロメテウスは弟エピメテウスとの対比の中で、エピメテウスが「行動してから考える者」であるのに対して彼は「考えてから行動する者」とされています。そういえばこの作品の登場人物たちは考えに考え抜いていますな。心の声が描写されないので具体的に何を考えているのかはそれぞれ推測するしかないのですが、たとえ何を考えているのかはわからずとも、彼らが何かを考えていることぐらいはわかる。彼らの表情や哲学的問答、そしてハリーが最後に取った行動などから察すべし。
最後に一つ。こんなところに行ったら私なんかは気が狂いますわ。
【ソ連映画】
・イワン雷帝 第一部
・イワン雷帝 第二部
・戦艦ポチョムキン
・バトル・フォー・スターリングラード 前編
・バトル・フォー・スターリングラード 後編
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