池波正太郎「獅子の眠り」
あらすじ…老中・酒井忠清は信州松代藩の跡目相続に介入しようとするものの、隠居していた真田信之に密書を奪われ、介入に失敗。忠清は密書を奪い返そうと焦る。一方、死を間近に控えた信之のもとには凶報が入る。近習の伊木彦六が藩の横目付の守屋甚太夫を殺したというのだ。
作品の冒頭で語られる跡目相続の補助資料として、真田家の家系図をとりあえず掲載しておきます。尚、真田信之は信幸とも表記しますが、この作品の中では信之と表記してあるのでこれに従いました。
さて、タイトルの「獅子の眠り」の獅子とは本作の主人公・信之のことで、この時93歳。長生きしてるなあ。「冬のライオン」より老いています。
それにしても、93歳の老人を騒動に巻き込むとは、作者(池波正太郎)もなかなか酷なことをしますな。いや、あるいは、信之ほどの「人気者」ともなれば93歳になっても放ってはおかれない、と見るべきか。
【参考文献】
池波正太郎『黒幕』新潮社
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