失恋殺人(2010年、日本)
監督:窪田将治
出演:宮地真緒、柳憂怜、大浦龍宇一、草野康太、星野真理、山田キヌヲ
原作:江戸川乱歩「妻に失恋した男」
備考:R-18、サスペンス
あらすじ…歯科医の琴浦が探偵・明智小五郎のもとを訪れ、友人の妻・みや子の素行調査を依頼する。しかし実は、みや子と不倫していたのは琴浦その人だった!
本作は窪田将治監督の江戸川乱歩エロティックシリーズの第一作で、現時点で公開されている同シリーズの他の二作品(「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」)に較べると原作が実にマイナーです。かく言う私も、原作を(読んでいるはずなのに)すぐには思い出せませんでした。
さて、物語の序盤を観て疑問が一つ。琴浦は自分がみや子と不倫しているのに、なぜみや子の素行調査を探偵に依頼したのか? 愚考するに、探偵の影をちらつかせることでみや子の自重を促し、彼女と距離を置こうとしたのではないでしょうか。
もちろんそんなことで物事がうまく行くならサスペンスとしては盛り上がらない。というわけで、二人の関係はもっとドロドロの深みにはまって行きます。業が深いですねえ。
ところで、原作では殺害のトリックがわからなくて苦労するという展開だったはずです。しかし、この「失恋殺人」では確かに原作通りの方法で殺してはいるものの、それを終盤近くに持ってきていて、探偵役が推理考察するいとまもなく話が展開しています。
おいおい、せっかく明智小五郎という名探偵を出しておきながら、推理で活躍させないなんてもったいないですぞ。
ちなみに小五郎の妻・文代が素行調査をするのですが、妙に明るくてウザいです。しかもその仕事の成果となると…。
最後に一つ。
中盤で琴浦が南田収一に歯の治療をしようとする時、南田に目隠しをして、彼の首筋にメスを突きつけるシーンが出てきます。これは琴浦が南田に殺意を抱いていて、しかも南田はそれに気付かないということを示しています。
ここはちょっと怖い。
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