ディクスン・カー『曲った蝶番』東京創元社
あらすじ…ケント州の由緒ある家柄の准男爵ファーンリ家に、突然、現在の当主は偽者であり、自分こそ本物だと主張する人物が現われた。真偽の鑑別がつかないままに現在の当主が殺されるという事態にまで発展した。(P1)
タイタニック号の沈没が1912年で、本作はその25年後という設定だから、物語の舞台は1937年ということになります。だとすると、第二次世界大戦のちょっと前ですな。
さて、タイトルの「曲った蝶番(ちょうつがい)」についてですが、これがなかなか出てこない。後半になってようやく、マデライン・デインの口から出てきて、事件解明の鍵になりそうだということが示されます。
「曲った蝶番」の正体についてはネタバレ防止のために伏せておきますが、これが唯一無二の欠くべからざる鍵ではない、ということはヒントとして申し上げておきます。つまり、鍵は他にもいくつもあるということであり、読み手はそれらを見落とさないように気を付けないといけないのです。
正直言って、私は色々と見落としてましたわ。
【参考文献】
ディクスン・カー『曲った蝶番』東京創元社
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