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梶井基次郎「Kの昇天――或はKの溺死」

あらすじ…療養先のN海岸で同じく療養中のK君と知り合う。K君は影に取り憑かれていた。

「Kの昇天」人物関係図

 この作品は手紙の返信という形式を取っています。文面から推測すると、K君と何らかの関わりのあった人物が、K君の死に際して疑問を持ち、K君と交遊があった語り手に、手紙でK君の死を知らせると共に自分の疑問をぶつけてみた、というものらしい。

 さて、K君のセリフにこんなものがありました。

「私が高等学校の寄宿舎にいたとき、よその部屋でしたが、一人美少年がいましてね、それが机に向っている姿を誰が描いたのか、部屋の壁へ、電燈で写したシルウェットですね。その上を墨でなすって描いてあるのです。それがとてもヴィヴィッドでしてね、私はよくその部屋へ行ったものです」(P92)

 アッー! 美少年!
 ひょっとしたら、ホモ嫌いの人の中には「これはホモ小説じゃない!」と反論するかもしれませんが、美少年の部屋に足しげく通ったK君の過去もさることながら、そのことを語り手にわざわざ話すのも、ホモ・セクシャルの香りがしますな。
 もちろん、K君と語り手が男色関係にあったと断言するつもりは毛頭ありません。語り手が回復して帰ってからはK君との交流が途絶していたらしいことを考えると、腐女子が妄想をたくましくするような関係になっていなかったものと思われるからです。

【参考文献】
池内紀・川本三郎・松田哲夫=編『日本文学100年の名作 第2巻 幸福の持参者』新潮社

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